浦田さん家のお隣さん。 (ページ20)

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episode 19 ページ20

夢主side

．

明らかに不快そうな表情のリーダーと怪しさが隠しきれていない他三人のメンバー。

「ここが誰の家かわかるよね？」

冷たい言葉が突き刺さる。

きっとやまとくんはわたしを悪質なファンとして注意しているのだろう。

でもわたしには急に推しとの距離感を突きつけるられたみたいで。

やっぱり釣り合ってなかったんだと、ちょっと期待した自分を押しとどめた。

「俺、前も君のこと見たことあるんだけどもしかして今回が初めてじゃない？」

ゆうたくんも怒っているのだろう。

声が動画の時と全然違って言葉が出なくなってしまう。

「さすがにこのことは黙って見過ごすわけにはいかないんだよね。

家に入るっていうのは犯罪になっちゃうわけだし。わかってくれる？」

ひゅうがくんたちは優しい言葉をかけてくれたけど、やはり迷惑そうな様子が隠しきれていない。

「おい、何とか言えよ。」

やまとくんの口調が一層荒くなったとき。

ゆうま「やめてください。」

小さな声だったけど、はっきりと彼はそう言った。

コムドットメンバー「？？？」

他の四人は訳が分からない様子でぽかんとしている。

ゆうま「Aちゃんは、僕のお隣さんなんです！！」

さっきよりもはっきりした声で話すゆうまくん。

もしかして、庇ってくれた…？

メンバー「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっっぇぇ！！！！！！」

そこからのメンバーの様子といったら。

美しい土下座の姿勢をとるあむぎりくん。

ばいしょうきん、ばいしょうきん、と呟きながら財布を取り出すひゅうがくん。

棒立ちのゆうたくん。

開いた口を塞ごうともせずにわたしとゆうまくんを交互に見るやまとくん。

ゆうまくんは笑いながら頭をかいていた。

ゆうま「僕が害悪ファンの子にお茶なんて出すわけないじゃないですか」

でも何よりわたしが気になったのは、頭を下げだした創設メンバーでも一万円札を数十枚取り出したヤンキーでもなく。

下の名前で呼んでくれたきみのことなんだ。