浦田さん家のお隣さん。 (ページ17)

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episode 16 ページ17

夢主side

．

やばい。緊張する。

『おじゃましま～す、』

わたしはとうとうゆうまくんの家に入ってしまった。

同担にころされやしないか。

それにしても同じ間取りの部屋なのに全然違う雰囲気で驚いてしまう。

落ち着いていていかにも一人暮らしというような感じだったが寂しい感じもなく、やはりお金はあるのだなと感じた。

ゆま「は～い。どうぞどうぞ、ゆっくりしてってください。」

ほんわかと笑うゆうまくんに癒されながらリビングへと進む。

思えば、引っ越してきてから約一週間。

あまりに驚きの連続だった。

お隣さんが推しで、バイト先にも来てくれて。

そして今、推しのお部屋に突撃しているわたし。

引越し前のわたしには想像もつかないようなことの連続で日々が成り立っている。

なんなのか。寿命が30年ほど縮まるのだろうか。

それとも不治の病とかになってしまうのだろうか。

いずれにせよ、長くは生きられないのかもしれないと結論づけてゆうまくんが来るのを待った。

ゆうまくんは丁寧にお茶を出してくれて、有り難くいただいた。

ゆま「今日は珍しくオフなのでゆっくりしましょう。

とは言っても僕編集あるんですけどね、セスっ！」

お茶を啜っているとゆうまくんは呑気に話し出した。

やはり社畜なのか。オフでも編集はつきものなのかと思うと大変な仕事なのだということを改めて感じた。

ゆま「まぁ今日はお友達もいることですからすこしは捗ります、たぶん！！」

ははは、と笑うゆうまくんにわたしは友達認定されているのだな、と嬉しくなる。

一ノ瀬さんも課題とかやってて大丈夫ですよ、とゆうまくんが言う。

きっと休憩がてらデザートを食べることになるのだろう。

お言葉に甘えてノートパソコンを取り出して大学の課題をやり始める。

先日講義で習ったばかりなのに手が思うように進まない。やっぱりここの問題は教授に聞いておくべきだったんだ。

頭がぐるぐると混乱する。

やがて一本も指が動かなくなりしばらくフリーズした。

ゆま「えー、Aさん、すごい顔笑」

しかめ面をしていたのに気づいたゆうまくんが吹き出した。

自分でも分からなかったが、表情が硬くなっていたことに気づいた。

顔をほぐして再度とりかかる。

すると、椅子からすっと立ち上がったゆうまくんが近づいてきた。

いったい何の用なんだ。