13 ページ13
リンタロウ「僕達家族を…助けたかった？」
『そう…僕は、君達を助けようとしたんだ。』
リンタロウ「ッ…嘘だ！助けようとしてたなら、あんな事する筈ないだろ！？」
『嘘じゃない。けど、僕のせいで君達家族は逃げられなかった事は事実だ。ごめん…』
僕は素直に頭を下げた。
リンタロウは言葉に詰まり、吐き捨てる様に言った。
リンタロウ「話してみろよ…あの時の事を…」
『ありがとう。あの時の事を説明する為には、まずは僕の過去から話さないといけないんだ…
僕は、とある家族の一人娘だった。
とっても幸せな家庭でさ…みんなに羨ましいって言われてたんだよ？
でも、その幸せな時も長くは続かなかった…
ある日、お父さんが病気で死んだんだ。
それから、お母さんは変わってしまった。
お酒や薬に溺れて、僕に当たり散らす様になった。
この首輪と鎖と…あと手錠か。
これはその時の名残。付けてないと落ち着かなくて…
あ、そんな事はどうでも良いね。
とある日、僕に痛覚がなくなった。
それからお母さんの暴力は酷くなっていったよ。
こーゆーの、虐待っていうんだっけ？
…そしてある日、僕は家から逃げ出した。
お母さんがいないとき、石で鎖を断ち切ったんだ。
まぁ、長いこと家に軟禁されてたから、行くあてなんてなかったんだけどね。
僕はとにかくあの家から離れたかった。
そうして、あの電車に乗ってしまったんだ。
今思えば、それが失敗だったんだろうね…
電車なんて、小さい頃乗っただけだったけど…
不思議と乗り方は覚えていたんだよね。
僕は電車に乗り込み、疲れ果てて少し居眠りしてしまったんだ。
甲高い悲鳴で目を覚ますと、君達が襲われていた。
僕は助けようと扉に駆け寄った…
けど、僕は君達を助けられなかった。
僕は君達よりも先に、ユウヤに刺されていたんだよ。
痛覚がないからそれに気づかないで…馬鹿だよなぁ。
扉に駆け寄った瞬間、僕は気を失った。
扉に全体重をかけたまま…ね。
だから君達は扉を開けられなかった。
足がいい具合に引っ掛かったんだってさ。
どんな奇跡だよ…
次に目を覚ますと、そこは病院だった。
僕は刺されたけど、一命を取り留めたんだって。
そこで、全ての事を話された。
自分自身を責め立てたよ。
そして、僕はこの記憶を封印したんだ。
そしてその後、僕は孤児院に入れられた。
僕はそこで大人になるまで働いて過ごしていた…
だから、マスコミとかは僕に来なかったんだね。
これが、あの時起きた事だよ。』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 32人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ドルチェ(プロフ) - この作品めちゃめちゃ面白いです！更新お待ちしております！(全力待機 (2021年6月19日 23時) (
レス) id: 81dbcfcc44 (このIDを非表示/違反報告)
朱鳥 - 名前？キリトかなーやっぱさん» やったー！ありがとうございます！！まだまだ誤字とか色々あるかもしれませんが、飽きずに読んでいただけると光栄ですっ…！ (2020年6月17日 19時) (レス) id: e3d6bbb733 (このIDを非表示/違反報告)
名前？キリトかなーやっぱ - うわっ！！最高です！！！ (2020年6月16日 16時) (レス) id: 9559dc4bb6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：朱鳥 | 作成日時：2020年6月2日 17時
