お出かけ ページ10
璃月港の街は活気づいていた。商人たちの声が飛び交い、人々の笑い声で溢れている。
「すごいですね!!」
思わず感嘆の声を上げる。
「ここは貿易の拠点でもあるからね。色んな国の人が出入りする。だから面白いものも沢山あるはずさ。」
彼は私の方を見て微笑んでいる。その笑顔はいつもよりも柔らかく見えた。
「さて、まずは何から揃えようか。」
言いくるめて連れてきた割には私の意志を尊重してくれるらしい。
「あ、じゃあ衣類品を見に行きたいです」
「おや?着替えは持ってきてるんじゃなかったのかい?」
「さては公子様、私が抵抗したこと根に持ってますね?」
「ははは、バレたか。まあいいじゃないか、服を買うついでにお昼ご飯も食べればいい。」
彼は私の言葉を無視して歩き出す。
「ちょっと待ってください!」
私は彼の背中を追い掛ける。こうして私たちは2人で買い物を始めた。
「これはどうだい?」
彼が手に取ったのは外出時に羽織れるような薄手のガウンだ。璃月の素材で織られているらしく、肌触りも滑らかで感動した。しかもシンプルだが可愛らしい...可愛らしいのだが....
「うーん……」
値段が高すぎる。
普段私のような庶民が買えるようなものとは桁が違うのだ。
「気に入らなかったかな?」
「い、いえ!!そんなことはありません!」
「じゃあ決まりだね」
彼はそのまま会計を済ませてしまう。
「あ、あのお金は払いますよ!」
「いいよ別に。俺が勝手にやったことだし」「いや、しかし……」
「じゃあ、こうしよう。俺が君にプレゼントしたいだけだ。」
彼はそう言うと、私に袋を手渡す。
「あ、ありがとうございます」
早速来ていた服の上から羽織ってみると、シンプルだった服装に華がついたようだった。
「うん、よく似合ってるよ」
にこにことこちらを見ている公子様。
「そ、そうでしょうか……?えへへ」
褒められて嬉しくないわけがない。私は照れ隠しに頭を掻いた。これから外回りの時は絶対にこれを羽織ろうと心に決める。
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アイリス(プロフ) - 星空ブリキさん» コメントありがとうございます!!キュンキュンして貰えてとっても嬉しいです! (2022年7月19日 3時) (レス) id: 1ebf608b16 (このIDを非表示/違反報告)
星空ブリキ - 初っ端からキュンとさせられた………\(//∇//)\ (2022年7月13日 6時) (レス) @page7 id: d39a98933d (このIDを非表示/違反報告)
夜浜 - いえいえ、これからも更新頑張ってくれると嬉しいです。(´˘`*) (2022年4月10日 14時) (レス) id: 3a2aa6a0f4 (このIDを非表示/違反報告)
アイリス(プロフ) - 夜浜さん» ありがとうございますー!完全に趣味で妄想しているものを載せているだけなので、解釈違い等あるかもしれませんが、楽しんでくださると嬉しい限りです。 (2022年4月10日 12時) (レス) id: 1ebf608b16 (このIDを非表示/違反報告)
夜浜 - 激甘タルタルも良いですし、夢主ちゃんが可愛すぎますっっ。お話楽しみに見させて頂いてます。 (2022年4月10日 11時) (レス) @page12 id: 3a2aa6a0f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アイリス | 作成日時:2022年4月4日 2時