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「え……」


頭が真っ白になった。これは夢だろうか?それとも幻聴なのだろうか?


「あの、恋人って……」
「もちろん、男女の関係だよ。」
「冗談、ですよね?」

思わず敬語が戻ってしまう。だって、まさか彼が自分を好きだなんて信じられない。いや、ありえないのだ。


だって、あの日から彼は変わってしまったのだから。純粋無垢な少年だった彼は、ある日突然距離を感じるようになった。平凡な日々を嫌って、毎日喧嘩して傷をこさえて帰ってくるその姿に、私は怖くなったのだ。


だから、逃げた。


だけど、成長を重ねるにつれて可愛らしかった少年はいつしか麗しい青年へと変わっていた。怖くなったとはいえ、幼い頃から一緒なのだ。再び彼のことを好きになるのにたいして時間はかからなかった。

だけど、闘争を求める姿は変わりなくて⋯⋯だから、私なんかが好きなんてありえないはずなのだ。


「俺は本気だけど?」
「うそ……」
「嘘じゃないって」
「だ、だって⋯⋯んっ⋯⋯」

反論しようとした私の口を遮ってまたキスをされる。今度は舌を入れてきて、より深いものへと変わっていく。だんだん力が抜けていくのを感じて、慌てて彼の胸を叩くと、最後にチュッというリップ音を鳴らしながら離れていった。
トンカビーンズの彼の温もりに包まれてもう何も考えられなくなる。


「これでわかったかな?俺は君のことが好きなんだ。」


彼の瞳は真剣そのもので、からかっているわけではないことがわかった。

「あの、私は……」
「わかってるよ。君が俺のことを怖がって避けていたことくらい。」
「え、なんでそれを」
「見てたらわかるさ。頑張って俺の事を見ないようにしてる割には俺の家族のことを気にかけてて、なんでそんなことするんだろうって思ってたけど、君が俺の事を好きだと仮定したら簡単に説明がつく。俺との繋がりを切りたくなかったからだろう?」

「っ!⋯⋯」

自分でも自覚してなかったことをら言い当てられ目を丸くする。確かにそうかもしれない

「それにしても、君は相変わらず頑固だなぁ。俺のこと好きなくせに、頑なに認めようとしないんだから」
「それは……」
「まあでも、そういうところも好きだけどさ。」





そう言って、彼は再び私を抱き寄せる。






「ねえA、俺のものになってくれよ」

耳元で再び囁かれる甘い誘惑に、私は抗うことなんてできなくて、こくりと首を縦にふった。

▽→←▽



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設定タグ:原神 , gnsn , タルタリヤ   
作品ジャンル:恋愛
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アイリス(プロフ) - 星空ブリキさん» コメントありがとうございます!!キュンキュンして貰えてとっても嬉しいです! (2022年7月19日 3時) (レス) id: 1ebf608b16 (このIDを非表示/違反報告)
星空ブリキ - 初っ端からキュンとさせられた………\(//∇//)\ (2022年7月13日 6時) (レス) @page7 id: d39a98933d (このIDを非表示/違反報告)
夜浜 - いえいえ、これからも更新頑張ってくれると嬉しいです。(´˘`*) (2022年4月10日 14時) (レス) id: 3a2aa6a0f4 (このIDを非表示/違反報告)
アイリス(プロフ) - 夜浜さん» ありがとうございますー!完全に趣味で妄想しているものを載せているだけなので、解釈違い等あるかもしれませんが、楽しんでくださると嬉しい限りです。 (2022年4月10日 12時) (レス) id: 1ebf608b16 (このIDを非表示/違反報告)
夜浜 - 激甘タルタルも良いですし、夢主ちゃんが可愛すぎますっっ。お話楽しみに見させて頂いてます。 (2022年4月10日 11時) (レス) @page12 id: 3a2aa6a0f4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アイリス | 作成日時:2022年4月4日 2時

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