▽ ページ5
公子様の家は想像していたよりもずっと広かった。彼の立場を考えれば、このくらいは当然なのかもしれない。
「どうぞ入って」
中に入って、泊まる部屋に案内してもらう。棚と机とベット、居心地の良さそうな部屋で下手に宿を探すより良かったかもしれないと思った。公子様の貯金額がとんでもないという話は銀行員の中では有名な話だけど、ベットを触った時すごく実感した。なんだあのふわふわ具合。絶対高い素材を使ってるに違いない⋯⋯。
荷物を置いてリビングに戻ると、公子様が紅茶を用意してくれていた。
「あ、ありがとうございます。」
「いえいえ、ゆっくりしていって。」
そう言うと、彼は私の隣に座った。
「あの、なんで隣に？」
「ん？なんか文句ある？｣
「いえ！無いです！」
怖いよ〜！！笑顔なのに圧がすごい！！！顔がいいから余計に凄みが増している。
そこからしばらく、これからの仕事について簡単に説明をしてもらった。まぁ、今日は初日だし、船旅の疲れをゆっくり癒してよと微笑む公子様にじゃあ⋯⋯と甘えてることにして、出された高そうな紅茶とお菓子を堪能させてもらった。これすごく美味しい。
｢さてA、今は2人きりなわけだけど｣
突然話を切り出す公子様が、何を言いたいのかわからず首を傾げる
｢そうですね？｣
｢いつまで敬語を使ってるんだい？仕事は明日からだし、前までは普通に話していてくれたじゃないか｣
「……私は仕事でここに滞在しています。貴方は上司だから、気軽な口調では話せません。」
最もらしい理由を付けて敬語を外すことは出来ないと伝える。なんてことないように言うけれど、こちらは恋心を悟られないように敬語で壁を作っているのだから、あまり戻したくないのが本音だ。
さっきまで話してくれたじゃんとむくれた様子を見せる公子様に、テウセルがいたから昔通りに振舞っただけですと返す。
すると公子様はしばらく考え込んたあと、口を開いた。形のいい唇が弧を描く
「ふーん……じゃあさ、命令なら聞くの？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 205人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「原神」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
アイリス(プロフ) - 星空ブリキさん» コメントありがとうございます！！キュンキュンして貰えてとっても嬉しいです！ (2022年7月19日 3時) (
レス) id: 1ebf608b16 (このIDを非表示/違反報告)
星空ブリキ - 初っ端からキュンとさせられた………\(//∇//)\ (2022年7月13日 6時) (レス) @page7 id: d39a98933d (このIDを非表示/違反報告)
夜浜 - いえいえ、これからも更新頑張ってくれると嬉しいです。(´˘`＊) (2022年4月10日 14時) (レス) id: 3a2aa6a0f4 (このIDを非表示/違反報告)
アイリス(プロフ) - 夜浜さん» ありがとうございますー！完全に趣味で妄想しているものを載せているだけなので、解釈違い等あるかもしれませんが、楽しんでくださると嬉しい限りです。 (2022年4月10日 12時) (レス) id: 1ebf608b16 (このIDを非表示/違反報告)
夜浜 - 激甘タルタルも良いですし、夢主ちゃんが可愛すぎますっっ。お話楽しみに見させて頂いてます。 (2022年4月10日 11時) (レス) @page12 id: 3a2aa6a0f4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：アイリス | 作成日時：2022年4月4日 2時
