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俺には昔から好きな女の子がいたんだ。


俺と彼女は、同じ海屑町で育った。だから物心つく前から一緒だったね。所謂幼馴染と言うやつさ。一緒に遊んで、喧嘩して、笑い合って。とても楽しい毎日だった。気がついたら好きになっていたんだ。これからも彼女が隣にいるって信じて疑わなかった。


でも14の時、俺は闘争に目覚めた。


戦いと争い、武人になる為の戦いを始めたんだ。その時からかな、彼女が少しずつ距離を置くようになったのは。毎日色んな人に戦いを挑んでは傷をこさえて帰ってきた俺を見て怯えていたのをよく覚えているよ。そしてある日、彼女に声をかけられたんだ。「もう止めて!」って泣きながら言われた時は流石に驚いたよ。だっていつもニコニコ笑ってる彼女が泣いていたんだから。


だけど俺は、どうして泣いてるか分からなかった。


だって俺は、本能の赴くままに戦いを求めていたから。争いのない不変な日常なんて、退屈の権化でしかない。


そんなものよりも刺激的でスリリングな日々の方が魅力的だと思わない? それからだんだんと彼女とは会わなくなっていってね。彼女が怖がって、離れていったって言った方が正しいかな。


あの時の彼女の目が忘れられないんだ。恐怖を感じる瞳の奥に俺の存在があった。
今思い出してもゾクゾクする。あんな表情今まで見たことがなかったから。


それから俺はファデュイに入った。もちろん1番好きなことは闘争だけれど、ふとした時に思い出すんだ。彼女は今どうしてるかなってさ。


どう?これが俺の乙女心溢れる甘酸っぱい恋の思い出話だよ

そこまで話すと一息ついて酒を煽る。こんな話、酒が入んなきゃやってられない。

「ふむ、なるほどな。公子殿にも可愛らしい一面があるものだ」

「もう終わったことだからね。今は割り切って仕事に専念しているよ」

「だが、今でも想う気持ちに変わりはないのだろう?それに、まだその想い人のこと、諦めていないように見えるが?」

当たり前のようにそう答える先生はさすがというべきか。



そう、俺はこの恋心を断ち切れてはいない。







まったくすまないと思っていない表情と声色で言う鍾離先生に、もう言い返す気力もなくなってくる。てかこの似非凡人、ただ面白がってるだけじゃないか。


「さて、そろそろ瑠璃亭の閉店時間だな。公子殿、良ければそこらの居酒屋で飲み直さないか」

「のった!」

▽→←某日、瑠璃亭にて



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設定タグ:原神 , gnsn , タルタリヤ   
作品ジャンル:恋愛
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アイリス(プロフ) - 星空ブリキさん» コメントありがとうございます!!キュンキュンして貰えてとっても嬉しいです! (2022年7月19日 3時) (レス) id: 1ebf608b16 (このIDを非表示/違反報告)
星空ブリキ - 初っ端からキュンとさせられた………\(//∇//)\ (2022年7月13日 6時) (レス) @page7 id: d39a98933d (このIDを非表示/違反報告)
夜浜 - いえいえ、これからも更新頑張ってくれると嬉しいです。(´˘`*) (2022年4月10日 14時) (レス) id: 3a2aa6a0f4 (このIDを非表示/違反報告)
アイリス(プロフ) - 夜浜さん» ありがとうございますー!完全に趣味で妄想しているものを載せているだけなので、解釈違い等あるかもしれませんが、楽しんでくださると嬉しい限りです。 (2022年4月10日 12時) (レス) id: 1ebf608b16 (このIDを非表示/違反報告)
夜浜 - 激甘タルタルも良いですし、夢主ちゃんが可愛すぎますっっ。お話楽しみに見させて頂いてます。 (2022年4月10日 11時) (レス) @page12 id: 3a2aa6a0f4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アイリス | 作成日時:2022年4月4日 2時

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