【 sxpx BL 】曲 パ ロ 短 編 集 .

続き ページ34

.


「ただいまー」


そして誰もいない家に帰宅すると、俺はすぐに自室に向かう


「ジェル〜 いつも可愛いね〜」


そう言ってジェルのポスターにキスをした


我ながら虚しい。


連写した中でも、特に可愛い写真はポスターにしたりで、部屋はジェルまみれだった


壁なんかほとんど見えない


この日常生活にある程度の満足感を得ているものの、やはり本物がいたらと常日頃思う

　

俺は、シワシワになっても死ぬまでジェルにメロメロな自信がある


だからさ、俺を愛してよ


「……好きって言って」


それだけでいいのにさ


ジェルは違う人の前で尻尾なんか振らなくていいんだよ。俺の前だけで笑っていれば


お前のことを1番好きなのは俺。


だから、ずっと忘れないように


沢山好きって言ってよ


ジェル以外、何もいらないから


　


＿＿こんなこと、本人に言えるわけもなく、ポスターのジェルになげかけるだけだ

　

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿＿


「さとちゃんおはよ！」


「ん、ジェルおはよ」


でも、家でやっていることが本人に伝わるわけもなく、また同じように時間が過ぎていく


　

おはようもおやすみも、毎日毎日俺だけに言ってくれればいいのに


「あっ！なーくんや！挨拶しにいこーや！」


「…………おー」


そんなこと、叶うはずもないけど


さよならはまたジェルに会うために言うんだ


おやすみは、メールで。明日、おはようって言うために


　

ジェルがしたいことならなんでも応援する


だからさ、


「これからも、どうかよろくね」


俺のことを見て。


そう言うと、ジェルは満面に笑みを浮かべ「勿論やで！」と言った


あぁ、その顔が愛しい

　

ねぇ、その顔でその声で好きっていう一言はくれないの？


録音するよ、君の声なら何回でも


写真を撮るよ、君の顔なら何枚でも

　

　
俺は君と、恋人になりたいんだよ。

　

「…………ん」


「お？なんやさとちゃんw急に抱きついてきて」


「……なんでもいいだろ」


「別にええけどw」


かっこわるくてごめん


でも、お願いだから少しだけ君の胸にいさせて

　

少しでもいいから、体温の伝わらないポスターじゃなくて、本物に触れたい


「大好き」


「ん？俺もやでー」


その一言が、愛しくてたまらない


ジェル、大好き


俺も、じゃなくて自分から、君から好きって言って


ほかになにもいらないから

続き→←君以外はいらないから【桃×橙】

• 金　運: ★☆☆☆☆
• 恋愛運: ★★★☆☆
• 健康運: ★★★★★
• 全体運: ★★★☆☆

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す