【 sxpx BL 】曲 パ ロ 短 編 集 .

続き ページ29

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「ただいま。」


「おっ、おかえりさとみくん！あのさ、昨日は何処行って＿＿＿」

「何？俺眠いから寝る。おやすみ。」


「え、あ……なんでもない。おやすみ。」


何処にいたか聞こうとすると、決まって遮られてしまう会話


やっぱり、違う恋人のところに行ってるの？


そう思うと、苦しいくらいの劣等感に苛まれ、俺は声を殺して泣いた

　

「君なんか、いなきゃよかったのにっ……」


ふと、そんな考えが浮かんでしまった


多分、これからも同じ関係性でしょ？このまま変わらないなんて、絶対やだもん

　

昔はあった君からの気持ちは、愛は、小さいものになっている


だから、いなくなったところでなんてことないでしょ？

　

『ななもりさーん？』


『なーくんっ！』


『好き』


『愛してる』

　

…………もう、いいよ


君を想うっていう重りが消えて、少し軽くなるだけだから


　

戸を叩き、彼のベッドに近づく


「…………さ、さとみくん」


「…………ん？なーに、なーくん」


「……あのさ、俺たち、さ……」


「どうした？」


別れよう。


その一言が喉から出てくることなんてなくて、俺を苦しめる


「なんだよ、変なカオしてw大丈夫？」


「っ……大丈夫」


やっぱり、ずっと好きなんだ


君が消えたら、少しだけ、痛いかな


この想いが消えたら、少しだけ、痛いかな


…………まだ、やめられないなぁ……


「やっぱ、なんでもない。おやすみっ」


「おー？おやすみ。」


彼の笑顔は誰よりもキラキラしてて、また、泣きそうになった


さとみくん、君の気持ち、まだ俺のところにある？


「…………さとみくん、俺のこと好き？」


「…………」


俺しかいない部屋で呟いた一言は、返されることなく消えていく


さとみくん、俺は君のこと好きだよ。

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