続き ページ25
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「ころちゃん、死ねる場所は何処ですか?」
「……そんなの、僕に聞かれても……。」
逃避行を始めて早1ヶ月半
僕らの距離はいつしか開き、彼の瞳は色を失っていた
死にたい君と、何処かで生きたいと願う僕
そんな脆い関係、崩れるに決まっている
彼の身体は痩せていて、今にも消えてしまいそうなほど小さかった
宛もないであろう蝉の群れが、沢山の声を発し消えていく
その様子を見ては、彼は切なそうな顔をした
「るぅとくん、もう1回仲良くしようよ」
そう言っても、首を横に振られた
「………はあぁぁ……。」
そんなことばかりされていると、嫌でも瞳からは熱くて冷たいものが流れてくる
それでも彼は相変わらず雨模様の空を眺めて、寂しそうな顔をしていた
「なんでそんなに悲しそうな顔するの?」
「あの時君が、ころちゃんがどん底の僕を助けてくれた。でも、やっぱりそれを拒否すればよかったなぁ……って。」
彼は決まってそう答えた。
「…………そっか。」
僕は、何も弁解できなかった。
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そんなあやふやな関係は、崩れかけていたものの続いていた
「るぅとくん、こっち。」
「………は、はいっ」
流石に2ヶ月近く行方を眩ませていたら、沢山の警察が動くのは当たり前で。
僕は鬼のような怒号を目の当たりにし、震える彼の肩を抱くことしかできなかった
彼は怖がると、無意識に僕を頼るんだ
それは、関係修復の役割を果たすと同時に、自らの自尊心を植え付けることも容易かった
__頼られているという、心
「迷惑かけてごめんなさい全部僕のせいですごめんなさい」
「……謝らないで?君は何も悪くないよ」
「…………うっうっ……うわああっ……」
少し甘い言葉をかければ、彼は僕に泣きついてくれた
それが愛しくて、可愛かった
でも、そのシアワセだと思っていた日常に亀裂が入るのは、これからすぐのことだった。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
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うと。(プロフ) - ぽむ@えだまめさん» ああぁぁありがとうございます;; 私自身ハニワさんの曲大好きなので多めになってしまいましたが、気に入っていただけていたようで嬉しいです…!こちらこそ毎回のコメントありがとうございました!今後とも宜しくお願い致します( --)、 (2020年9月12日 13時) (レス) id: bc02d80664 (このIDを非表示/違反報告)
ぽむ@えだまめ(プロフ) - うと。さん完結おめでとうございます…!!どの話も深くて…大好きな小説でした…特にHoneyWorksさんのパロが好きでした…!!なんならうと。さんの書く小説全部好きです……ラストの話も好きです笑笑 更新お疲れ様でした!! (2020年9月12日 13時) (レス) id: 96c7442f6f (このIDを非表示/違反報告)
うと。(プロフ) - りこさん» こちらこそありがとうございました、!喜んでいただけてとても嬉しいです…!私も花降らし好きです笑 (2020年8月23日 12時) (レス) id: bc02d80664 (このIDを非表示/違反報告)
りこ(プロフ) - 花降らし好きなんですよ!好きな曲を好きなペアで…ぐへへ((やばかったです!ありがとうございました!! (2020年8月23日 12時) (レス) id: 35b1bfd302 (このIDを非表示/違反報告)
うと。(プロフ) - ぽむ@えだまめさん» わああぁ…ありがとうございます、!ななもりさんの心情の変化は、細かく書きこんだつもりなので伝わっていて嬉しいです泣 花降らしはMVを凝視しながら見るとより泣けます…! (2020年8月23日 11時) (レス) id: bc02d80664 (このIDを非表示/違反報告)
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