【 sxpx BL 】曲 パ ロ 短 編 集 .

続き ページ22

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿＿


「……殺したのは、隣の席のいつもいじめてくる人です。」


「……あ、あぁ……」


僕は彼の隣の席の人を思い出し、苦笑した

僕も、1度標的にされたことがある、本当に厄介な人だ


彼の悪評は、絶えず有名だった


「……いつも、教科書に落書きされて、殴られて、蹴られて、もう嫌になって」


「……思わず、肩を突き飛ばして……打ち所が、悪かったんです。」


「…………」


そう言う彼の手は震えていることに気づき、僕は彼の手を優しく握り、少しでも安心させようと笑った


「大丈夫だから、続けて？」


彼は頷く


「……もう僕は、ここにはいられないと思いました」


「だから、どこか遠いとこで死んできます」

　

「…………死、ぬ……」


「はい。人を殺したなら僕も死なないと」


そんな風に言ってのけた彼の瞳は、恐怖と決意が滲んでいる気がして、僕は思わず口走った


「それじゃあ、僕も連れてって」


「……えっ……でも……」


彼は驚く。それはそうだ、着いていくということは死ぬことを意味しているから


それでも僕は続けた


「お願い、今は君と離れたくない」


　

「……わかり、ました。」


そんな僕の瞳に負けたのか、彼は頷いた


「……じゃあ、2人で逃げよう」


彼はもう1度小さく頷くと「今日の夜、ここで。」と言い、扉の鍵を開けた


そして部屋に入る寸前僕に、


「巻き込んでごめんなさい」


なんて言った


僕は首を振って微笑んだ


「僕は僕のために君と逃げるの」


彼に聞こえたかはわからないが、一瞬肩を震わせ部屋に入っていた


僕は投げ捨てた傘を放置し、びしょぬれの鞄を持って自分の家に駆けた


心はどこかすっきりしていて、清々しさすらも感じた


＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿＿


家に帰った僕は、財布にありったけのお金を入れた。まあまあ貯金はしてきた方だから、少しでも足しになるだろうか


「………………」


そして、ナイフも手に取った


携帯ゲームも入れた


　


要らないものは、全部全部自分の手で、捻って、潰して、破いて、裂いて、壊した


家族との写真も、自分のつまらない日記も、もう要らないや


　

人殺しとダメ人間の旅に、此処が恋しくなるものなんか、要らないでしょ？

　

だって、死ぬための旅に出るんだもん


あっちで役にたたないものは、要らないよ


早く、君の所にいかなくちゃ

続き→←君は何も悪くないよ。【青×黄】

• 金　運: ★☆☆☆☆
• 恋愛運: ★★★☆☆
• 健康運: ★★★★★
• 全体運: ★★★☆☆

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す