【 sxpx BL 】曲 パ ロ 短 編 集 .

青くん誕生祭2020【青×黄】 ページ12

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黄 side


「…ハッピーバースデー」


僕は視界を邪魔する髪を耳にかけ、そう小さく呟いた


いつもより可愛く魅せたい


そんな出来心が生まれる日


そして、君の大切な記念日

　

＿＿＿＿＿＿誕生日だ


ここ4年間一緒に過ごしているものの、恋人になって迎えたこの日は初めて


通年だと何をしようか迷って、結局メールで1、2行文を送ってあまり高価じゃないプレゼントをあげることが普通


だけど今僕は君の＿ころちゃんの恋人だから、盛大に祝えるんです！


「……よしっ」


僕は手に持つ5万円分のアマギフに力をこめ、キュッと目を瞑った


『プレゼントは僕だよ』


そんなこと言えないシャイボーイ


でも、好きの気持ちは本当なんです


　

そして、そんな想いで買ってきた食べ物たちを机の上に並べてみる


" 彼の誕生日 "


それだけで胸は痛いほどに踊った

　


いつもいつも笑顔をくれる君に恩返しをしたい。その一心だ

　

クローゼットからエプロンを引っ張り出して、紐を手にとる


蝶々結びをして、鏡の前で一回転をする


仁王立ちしてみると、威風堂々とした自分の姿が見えて、思わず「ぷっ」と吹き出した


　


「ころちゃんのために…！！」


そして改めてそう意気込んだ


彼は風俗で羽目外してから僕の家に来るだろうが、もうそんなの慣れっこだ


彼が直接そんな風に言っているわけではないが、知らない香水の匂いがどうも鼻を通る


別にいい、僕が1番ならなんでも…


「………はぁ…」


正直なところ行ってほしくはないが、彼の欲求を受け止められない僕のせいだから



……………


…………って！！


「ううんううん、そんなこと考えちゃダメです！」


僕はふとネガティブ思考が全開になっていたことに気づき、慌てて頬を叩いた

　

今日はおめでたい日！


君が生まれた大切な………


改めて考え直すと、材料を抱えてキッチンに移動した

　

そうです、僕はころちゃんが好きだからお祝いするんです


見返りなんか求めない

　

最高のサプライズパーティーにするんです！

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