33. 夏の魔法がなんとやら ページ42
カラコロと下駄を鳴らして、駅までの道を歩く。歩幅が狭くなるから、普段より余裕を持って家を出た。
ーーーああそうだ、彼のためにお面を買っていかないと。
*
駅の近くの指定された場所に着くと、マスク+色つき眼鏡のセンラさんが立っていた。待ち合わせは18時。もう日が長く、まだ辺りは夕焼色。
＞ワガママついでに、浴衣とか持ってたら着て来て欲しいな
数日前のやり取りで告げられた小さなお願いに、「せっかくだし」と箪笥で眠る浴衣をクリーニングに出した。髪も纏めて、なんだかんだ久しぶりのお祭りに浮かれている。
「こんばんは」
挨拶をして近づくと、スマホから顔を上げた彼は一瞬ピタリと固まった。え、どこか変ですか？
「や、ちょっと想定外で、、、勝手にこう、可愛い系で来ると思ってたから」
なるほど。確かに私が纏っている浴衣は和柄だし、色は薄めの小豆色で、可愛い系ではないかもしれない。
「可愛い方がお好みでした？」と少し意地悪で聞くと、センラさんは困ったように笑った。
「ちゃうてw 顔上げたら大人っぽいお姉さんが立ってたから、驚いてもうたんよ」
色っぽくて綺麗やね。
そういう彼の笑顔の方が綺麗で色気に溢れていて、あなたこそ、と言いたくなった。
チョコバナナや焼き鳥など食べ歩きしやすい物をつまみつつ一通り練り歩いたところで、各々メインとなる物を購入した。私はお好み焼きでセンラさんは焼きそば。食べ歩きはできないし、お面をずらす時間が長くなることも考慮して、メインストリートから少し外れた人気のない路地の段差に腰を下ろす。
「「いただきまーす」」
まだ熱々のお好み焼きを頬張る。うん、おいしい。明日のご飯用に二つ買ったけど、正解だったな。
美味しいですねぇ、そうやねぇ、とほのぼの会話をしながら食べ進めていると、センラさんが「…てかさあ、」と切り出した。
「冷静に、せっかくおめかししてる女の子こんなとこに座らせて…申し訳ないな」
ごめんな？と眉を下げる彼に、私は呑気に「わあ、紳士」と感想を抱いた。
「あは、全然気にしてなかったです。むしろ楽しんでました」
往来だとあんまり名前も呼べないし、基本お面越しの会話だから。
「せっかく一緒に来てるので、ここならこうしてお顔見て、名前呼んでお話しできるから嬉しいです」
素直に告げると、彼はひと拍置いて、少し目線を逸らしながら「…佐倉さんの彼氏になる人は幸せもんやな」と呟く。
その表情はいつもの笑顔ではなくて、何かを堪えるような、そしてどこか悔しそうな複雑なものに見えた。
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打楽器(プロフ) - 茶菓さん» みんな素敵だから狩る気なくても狩れちゃいますよね！筆者は推し活ビギナーなので皆さんと推しの話で盛り上がりたいです…w更新がんばりまっす！ (2022年6月27日 19時) (
レス) id: f343a7df43 (このIDを非表示/違反報告)
打楽器(プロフ) - ひと。さん» ぱぁぁあああ(๑°ㅁ°๑)✨（訳:そう言っていただけて何より嬉しいです！がんばります！） (2022年6月27日 19時) (レス) id: f343a7df43 (このIDを非表示/違反報告)
茶菓 - ありましたね、他担狩りの話…w usss代表他担狩りは、ファンサ代表＝うらたさん・歌声代表＝さかたん・面白さ代表＝セさん・ギャップ代表＝志麻くんな気がします🙃 更新待ってまーす！🙌 (2022年6月26日 19時) (レス) @page34 id: 429671251e (このIDを非表示/違反報告)
ひと。 - きゅきゅきゅんきゅきゅきゅんきゅきゅきゅんです。(訳:このお話大好きです。がんばってください！) (2022年6月25日 8時) (レス) @page32 id: 4c026d6bdc (このIDを非表示/違反報告)
打楽器(プロフ) - 茶菓さん» 茶菓さん！いつもありがとうございます！！星赤くなれるなんて思ってなかったので感動です🥲✨これかも頑張ります〜！！ (2022年6月21日 8時) (レス) id: fbabe361fc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：打楽器 | 作成日時：2022年6月2日 19時
