【skt】とびきりカッコよくします【usss】

15.サプライズ ページ23

　
　
あっという間に夏ツアーが始まった。

夏は汗の量が増えるため、衣装替えのたびにメイク直しもしっかり行う必要がある。今日も気合入れないと。
それに今日は、なおさら失敗したくない。




「おはようございまーす」

「お！蒼ちゃんおはよう&おめでとう〜」

「あは、ありがとうございます！」




そう、実は私は今日が誕生日だったりする。
毎年夏ツアーの時期と被っているけれど、公演日に被るのは初めてだ。
馴染みのスタッフさん達は私の誕生日を知ってくれていて、口々におめでとう！と声をかけてくれる。
…あったかい現場だな。

浦島坂田船の4人も言わずもがなで、楽屋に入るなり盛大にバースデーソングを合唱してくれた。


ちなみに、朝起きたらなんと、あの誕生日を覚えないことで有名な坂田さんからLINEでお祝いのメッセージが来ていたので、気分はまさしくハッピーです。





*





アンコール前、最後のメイク直し。

今日もなんとか、最後までカッコいい彼らをステージに送り出せそうだ。




「よしっ。おしまい。じゃあ、アンコール頑張ってきてくださいね！」

「ありがとさん」




じゃあ、佐伯さんはこれね。と坂田さんから黒い物を手渡される。
…スタッフTシャツ？




「俺らから誕生日プレゼント！場内スタッフに扮してアンコールを会場から見ちゃおう計画〜」

「えっ………！？」




せっかく公演当日が誕生日なんだし。俺らが毎回指名するせいで、佐伯さんモニター越しでしか見れないから。



ファンサもするから、覚悟しい？



悪戯っぽく笑う坂田さん。
メイク直してもらわなあかんから、最後の一曲だけになってもうてごめんな〜とセンラさんに謝られたけど、そんな、普通だったらその一曲さえ叶わないのに。




「ありがとう、ございます…！」




急いでTシャツを上から着て、本物の場内スタッフさんに連れられ会場へ。







道中、「この案考えたの、坂田さんなんですよ。相談されました。」とスタッフさんが教えてくれて、余計に胸が熱くなった。
　
　
　

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