【skt】とびきりカッコよくします【usss】

13.君専用 ページ20

　
　
意識してる？って聞かれた時、図星で言葉が出なくて、もどっきた志麻さんにスマホを返してしまった。



ーー意識、するよ、そりゃあ。



揶揄われているとわかっていても、あんな言動をとられたら意識するに決まってる。


けど、これが＝坂田さんのことを好き、ってことになるのかはわからない。


元々好きだった人たちの中でたまたま距離が縮まったのが坂田さんだったから。
他の人に同じ事をされてたら、その人に対して同じ反応をしていたんじゃないか。


歳ばかりとって、恋の気づき方もわからない自分に呆れた。





*





「決起会………？」

「いえす、佐伯さんもおいで」



夏ツアーに向けたヘアメイクの打ち合わせ後、帰り際にうらたさんから誘われた。
春ツアーお疲れ様兼夏ツアーも頑張ろうの会として、浦島坂田船ハウスで集まるらしい。

そんな会にいちヘアメイクの私が参加していいのかな、




「いいに決まってるやん！佐伯さんなんてもう十分古参メンバーやから！」

「ラまんの言う通り。てか、これお願いじゃなくて強制だから」




予定空けといて？とうらたさん節で言われたら、断る選択肢はない。

…問題は、あれから仕事モードの時でないと目を見れない彼とうまく話せるか。




「佐伯さん」

「、は、い。なんでしょう坂田さん」



皆さん部屋出ていきましたよ、置いてかれちゃいますよ。



「髪、下ろさんでくくってきてな」




は、はぁ………。まさか髪型のリクエストをされるとは。

坂田さんと2人の時は下ろして少し巻いていったのだけど、微妙だったのかな。…地味に悲しい。

1人後悔していると、坂田さんが距離を詰める。
部屋の入り口の方にいる他のメンバーに聞こえない様に、耳元で囁いた。




「髪下ろしてんの、レアやから他の奴らに見せたくないねん。」



あれは、俺と2人の時にしてきて？




笑う坂田さんはなんだか妖艶で、少し楽しげ。

してやられてばっかりで悔しい。




「か、考えておきます………」









なんて言いつつ、今夜はまとめ髪のヘアアレンジを考えるんだろうな、私。
　
　
　

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