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コンビニ袋片手にホテルの部屋をノックすると、ドアを開けるなり坂田さんは驚いたような不思議な表情になった。
「坂田さん、これ、冷えピタとかゼリーとかです。お節介とは思いますけど、！？」
突然腕を引っ張られ、ドアの内側に引き込まれる。
物だけ渡して部屋に入るつもりはなかったのだけれど。
「？えっと……坂田さん？ベッド戻りましょうか。まずゼリー食べて、薬飲んでくださいね」
彼の行動の真意は読めなかったけれど、まずは休ませることが優先だと思い、背中を押して部屋の奥へと促す。
薬、水分補給など一通りを済ませるのをベッドサイドから少し手助けしながら、坂田さんが横になるのを見届けた。
これでひとまず安心かな。
そう胸を撫で下ろしていると、自分の腕で腕枕をする形で私の方へ顔を向けた坂田さんが「佐伯さんさぁ、」と口を開く。
「いくら心配でも、熱で頭沸いとる男の部屋なんて来るもんやないで」
何するか分からんよ？俺みたいに。
ふざけた調子で話しているはずなのに、まとう空気からいつもより"男の人"を感じて少し戸惑う。
確かに急に腕を引っ張って部屋に引き込むなんて坂田さんらしくない行動ではあったけれど。
「坂田さんには特にお世話になってますし……それに、坂田さんは別に変なことしないじゃないですか」
「なんで？」
「な、なんで？」
なんでってなんだ。私相手に一体"何"をするというのか。
どう答えていいか分からずにいると、急に視界が傾いた。
「ーーーほら、」
「…！」
もうちょっとで、キスできてまうよ。
後頭部にのびた手にぐっと引き寄せられ、彼の顔が至近距離に迫る。
少しでも動いたら、唇が触れてしまいそう。
いつもじゃあり得ない近さで私を見つめる瞳は、熱のせいかいつもよりも色気に満ちていて、呼吸が止まる。
「………抵抗せえへんの？」
「っ！」
坂田さんの声にハッと我に帰り、急いで顔を離した。
あつい。鏡を見なくても、自分の顔が赤くなってることがわかる。
今の坂田さんはいつものお調子者のお兄さんじゃない。
熱で何かがおかしくなってるんだ。
「だい、じょうぶそうなので、私は戻りますね…！！」
お大事に………！！
これ以上からかわれてはたまらないと、逃げる様に部屋を後にした。
ーーーああ、私の顔の熱も早く冷めますように。
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打楽器(プロフ) - ちゃかのさん» ありがとう！！！！😂✨最初の作品で思い入れもあるから一層嬉しい〜〜！いつもありがとう！！🥰 (2022年7月6日 10時) (
レス) @page50 id: e8512220c2 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃかの - 101票ー！！！🎉🥳 10.0のままおめでとう殿堂入り！！！ (2022年7月5日 17時) (レス) id: 429671251e (このIDを非表示/違反報告)
打楽器(プロフ) - 茶菓さん» うぐ…っ(嬉)普段優しいのに余裕なくなっちゃうの大好物なんです、文才なんてそんな勿体ないお言葉…！励みになりますもっと番外編も増やせるようにしてきますね！ (2022年5月24日 8時) (レス) @page47 id: 9be83c3a2a (このIDを非表示/違反報告)
茶菓 - …ん"んっ(悶) 余裕なさそうなのめっちゃ書くのうまいですね、文才ください🙃 嫉妬さかたん番外編ありがとうございます！！！ (2022年5月23日 18時) (レス) @page47 id: 68685abacb (このIDを非表示/違反報告)
打楽器(プロフ) - 茶菓さん» わわわありがたいお言葉………！励みになります！お仕事休みの間にたくさん更新しますね！笑ありがとうございます😊 (2022年5月3日 22時) (レス) id: 5b8d76cfc9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：打楽器 | 作成日時：2022年4月10日 5時
