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真琴「あー！」
家を出て少し歩いた時、突然携帯を見た真琴が叫んだ。
ut「うぉ！な、なんや真琴ちゃん！」
「どうした、真琴？」
どうしたのかと聞くと、彼女はごめん！！と手を合わせた。
何でも急に家の手伝いに呼び出されたとのこと。
真琴の実家、近いし、妹ちゃん小さいし、仕方無い。
「全然大丈夫よ。行ってきな？」
真琴「ほんまにごめん、また行こな？」
彼女は走っていってしまった。
さて…
「どうする？これから。」
ut「そ、やなぁ…」
気まずい空気が流れる。なんだか今日の彼はおかしい。
体調でも悪いのか。それとも。好きな人がいて、私と二人では出掛けられないのを言いづらいのか。
「あ、あの」
ut「Aちゃんとデートしたいです！」
「…え」
わ、私と何？デート？え？
彼はあかん？なんて聞き返す。いや、むしろ嬉しいけど、いいの？好きな人は？
…でも、今日だけ、良いかな。
ごめんなさい、鬱の好きな人。私は彼のことが好きなの。
「うん。いいよ。」
やったぁ！と彼は喜んでいた。彼の耳が赤いのは気のせいだろう。
ーーー
彼と手を繋いで訪れたのはオシャレなレストラン。よくこんなところ見つけるなぁと見渡していると、どうやら彼の後輩に教えて貰ったらしい。
あ、ちなみに何で手を繋いでいるかって、鬱が急に繋いできたの。
「え？なんで手」
ut「やってデートやし。いや？」
「嫌っていうか…」
私が何も言えずにいると、彼は笑って、繋いでおこう？なんて言うから何となく離せないでいた。
…つまり惚れた弱みって訳ね。
席に着くと向かい合うため、離れていくのが名残惜しかったとかは、内緒ね。
彼はカレーライス、私はドリアを頼んで食べる。うん。
「美味しい」
ut「よかった」
その後彼と他愛のない会話をしつつ、近くの公園に行く事に。
お会計、と伝票を取ろうとするとあっさり彼に取られてしまった。
「あ、まって！」
ut「んふ、あかんでAちゃん。俺が払うから。」
彼はさっとカードを取り出して払ってしまった。
ut「こういう時は甘えてええねん」
な？と頭をぽんぽんと撫でられる。きっとこういうところがモテるのだろうな。
「なら、次私が払う」
ut「ほんま大丈夫やのに。ありがとうな。」
ありがとうと言うのはこちらの方。
ut「でも、俺はこうしてるだけで充分やねん。」
と、手をまた繋がれる。恥ずかしい…
何も言えずにまた俯くと彼は
ut「かわいいAの姿見れるから」
と、耳元で囁いた
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作者名：ほたて | 作成日時：2022年12月23日 17時
