ボディータッチしてくる件について【ut】 (ページ9)

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彼の顔についたご飯を取ろうとした瞬間、彼に手を取られてしまった。
離れようとした手はまだ彼に触れたままで、合っていた目を逸らす。

ut「目、逸らさんといてよ。Aちゃん」

「鬱こそ、手、離して」

彼は私の手を両手で包み、やだ。と言って遊び始めた。
その指が、私の指の間を掠めたり、手のひらを合わせたりされてなんだか、くすぐったい。

「も、もう鬱！離して！」

ut「ふは、めっちゃ顔赤い。…かわええなぁ、Aちゃん」

可愛くないから！と、手を思いっきり引っ込めると、意外にも簡単に離してくれた。

「そういうのは、好きな女の子に言いなよ。」

ご馳走さま！と席を立って社食を出る。危なかった。
あのままでは勢い余って自分の想いを言ってしまいそうだった。

ーーー

今日は久々のお休みの日。家に引きこもってアニメでも見るかな。

さーて！今日は部屋着のままごろごろ…

ピンポーン

「…」

寝たふり…は、ダメか。宅急便の人とかだったら悪いしね。

「はーい」

ドアスコープを覗くと真琴と鬱が見えた。
…って鬱！？

真琴「Aー！いるー？」

「は、はーい！まって！着替えるから！」

せめてものと、カーディガンを羽織り、ドアを空ける。
二人の顔を見て、とりあえず部屋に入れる。
部屋、綺麗にしていてよかった…

真琴「急にごめんね。鬱とたまたま会って、Aとご飯食べようってなって。」

「全然！着替えてくるから、ここで待ってて！」

私は自分の部屋に戻り、タンスを開ける。鬱が居るなら、可愛い服にしたいな。
…ちょっと露出多めとかだと、引かれるかなぁ…

清楚な感じのワンピースにして、メイクもばっちりとしてリビングのドアを空けようとした時、二人の声が聞こえた。

ut「あーもうほんま可愛すぎて……」

真琴「早く言えってそれは…」

ut「あとちょっとやねん」

な、何の話…でも、もしかしなくても…
鬱、可愛いと言ってあげたい人、というか、好きな人居たんだ…

真琴も知っている人？

真琴「みくも言ってた……」

ut「ま、まじ？それは………」

みく？彼女のことなのかな…
所々聞こえなかったし、違うかもしれないけれど、鬱が想っている人が居るなら、応援してあげたい。

「お待たせ！ごめん待たせて…」

真琴「全然待ってないよ？むしろ急がさせてごめんな？」

ut「…」

鬱、目を合わせてくれないけど、もしかして、嫌われてる？

「鬱もごめんね？」

ut「全然大丈夫やで。」

彼はぎこちない様子だった。