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叩かれたのは…
美波「鬱！何で庇ったりなんか…！」
ut「…」
「鬱…」
彼の左頬は真っ赤に腫れて痛々しい。眼鏡も歪んでしまっている。私は冷やすものをと思い、部屋に向かおうとしたが、鬱に手を捕まってしまった。
「…？」
ut「…美波、こんなことしちゃあかんよ。」
わかった？なんて彼は彼女を鋭く睨んだ。
美波「な、なんで……。なんで！？」
sha「ええから、大先生に謝れや」
ut「…シャオちゃん、ええねん。大丈夫やから。」
鬱はシャオロンに目配せをして、私を見る。その顔は優しく微笑んでいた。
ut「なぁ、美波、やっぱり俺は君と結婚は出来ない」
美波「な、なんでよ！」
ut「…守りたい人が、居るからや」
どうしようもなく。と彼は美波さんを見て微笑んだ。
美波「!っ、お父様に言いつけるから！」
ut「うん、会社辞めさせられても構わん。そんくらい好きやねん。」
美波「っ！！！」
美波さんは顔を赤くしながら走っていってしまった。
ut「…ごめんな。二人とも。」
sha「いや、ええねん。それより冷やすものを持ってくるから！」
と、シャオロンも走っていってしまった。残ったのは私と鬱だけ。
ut「…Aちゃん。ごめんな。怖い思いさせて。」
「ううん。それより鬱の方が心配。大丈夫？」
ut「あははっ、俺のこと心配してくれるんやね。…やっぱり優しい。ええ子やな。」
なんて頭を撫でられる。彼に触れられるのは未だに慣れていない。恥ずかしくて顔をそらす。
ut「なんで顔そらすん？俺今眼鏡なくて見えへんから、顔近付けてええ？」
「や、だ！私絶対顔赤いし…」
恥ずかしくて無理！と顔を覆う。
ut「だめ、見せて？」
かわいい顔が見たい。
そんな事、言わないで。自惚れちゃうでしょう？
ut「…かわいい。A。やっぱり君が好きやなぁ。」
「ほ、ほんとにむ、むり…！」
鬱の顔が近いの！
ut「ふふ、かーわい。照れてるの？」
「…照れてるわよ！」
ut「ふは、あーほんまに好き。大好き。A」
「…私も好き」
やっとの思いで私の気持ちを伝えると、彼は、うん。とそのまま、
唇が触れ合った。
ーーー
みく「ええー！なにその顔！？」
ut「はは、まー、色々あったんよ。詳しくは聞かんといてな？」
翌日、彼の顔の腫れは引かなかった。
昨日、キスをしたら何だか止まらなくて、ずっとしたくなっちゃって。
そしたら、シャオロンと目があったのだ。
あのときはごめん。
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作者名：ほたて | 作成日時：2022年12月23日 17時
