6話 ページ6
チーノなりに私を守ってくれたのだろう。でも、ドキドキしてしまうから離してほしいのに。
「チーノ？」
ci「A、俺のこと嫌いなん？」
な、なんで？
というか、さっきより密着していてやばいのだけれど
ci「A、お願い、俺のこと嫌いにならんといて…」
ぐすっと鼻を啜る音に彼が泣いていることに気がつく。
好きな気持ちはもちろん諦めるけれど、嫌いだなんて
「私はチーノのこと嫌ったりしないから大丈夫よ」
ci「ほんま？」
「ほんまに」
そう言うとさらに抱きつかれた。クラスは何故か拍手が起きていて、良かった。等と言っていた。
syp「…」
ーーー
ci「A！帰ろ！」
「え、あ、うん！」
放課後、毎回のようにチーノショッピと帰ろうとした時だった。
syp「チーノ、俺らデートしたいねんけど」
と、ショッピが私の手を絡めて伝えた。
そうよね、私達付き合ってるのだから、チーノとはあまり居られなくなってしまうよね。
少しだけ心がズキッと痛んだ。
ci「……そーよな！じゃあまた明日！」
「うん、またね」
そのままショッピと一緒に帰る。
syp「…ごめん、少し強引に連れ出してもうた。Aと一緒に居たかってん」
「ううん、大丈夫だよ。私もショッピと居たかったし」
syp「ふは、お世辞でも嬉しい。」
「お世辞とかじゃないのに」
ショッピはいつだって私に優しい。だからとても惹かれる。
syp「…まだチーノのこと、好きなん？」
「そう、やね。まだ少し…」
今日守ってくれたことで前蓋をしたあの気持ちが見え隠れしてくる。
でも、ショッピのことも好きになっている。
私ってわがままだな。
syp「なら、もっと意識してもらわんとあかんな」
彼はそう言うと私の顔をそっと撫でて、おでこにキスをした。
「あっ…」
syp「ま、今は俺の彼女やから、あいつよりも一歩前進してるかな」
ニヤリと微笑む彼は妖艶だった。
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作者名：ほたて | 作成日時：2022年10月20日 2時
