絶対俺を嫌っていると思っていた部下は【tn】

3話 ページ3

皆で朝食を食べ、部屋に戻るとノックされる。Aだ。

「失礼致します。先程は大変申し訳ありませんでした。以後、気を付けます。」

「いやいやそんな堅くならんくても！仕事してるときのかっこいい姿しか見たこと無かったから、素はあんな感じなんやなーって思ったで。」

結構、かわいかったし。まぁ、それを言うとさすがに可哀想やから言わんけど。

「……ありがとうございます」

『トントンさんに褒めていただけるなんて…嬉しすぎる！後で鬱のとこに自慢しに行こ。てか、かっこいいのはトントンさんだし！』

……いややっぱかわええなぁこの子は。

「書記長様。今日のお仕事を」

「あぁ、そうやな。今日は…」

昨日決めておいた仕事の内容を伝える。彼女はメモとペンを取り出して一生懸命、心のなかで復唱しながら書いていた。

「こんくらいかな」

「承知致しました。」

「ん。今日もよろしくな」

思わず彼女の頭をポンポンと撫でてしまった。すると彼女は途端に顔を赤くした。

『え？え？何？今の。なで、撫でられた？よね？え？トントンさんが？私を？』

「書記長様…？」

あ、いつも動じないのに、少したじろいでいてる。
彼女はしばらく固まっていると、仕事に戻ります！とどこかへ走って言ってしまった。
いじわる、っぽくなったか？

ーーー

彼女は夕方の報告の時もしっかりと報告をしてくれた。
心の中ではかっこいいとか言ってくれてんのに。

……ちょっと照れるな。散歩でもするか。

すっかり暗くなった軍基地は月に照らされて少し光が指している。見回りもかねて色々なところを回っていると、訓練所で誰かが訓練している。

あれは、ゾムか？あと、女性……Aやないか！！

話の内容を聞いている感じ、ゾムは彼女に指導しているようだ。

「ゾムさんいつも訓練に付き合って下さってありがとうございます。」

「いやいや全然ええよ。でもA充分強いで？それに副書記やったら別に訓練なくてもええんちゃうか？」

「いえ、私が強くなければ、いざとなったとき書記長様を守れませんから」

……

えぇ、なにこの子かわええ〜〜

てかその為に訓練してるん？そんなんせんでええのに。

「そりゃまたかっこええなぁ。てかさ、気になってたんやけど、何でトントンのこと、書記長様って呼ぶん？俺らのことは普通に名前なんに。」

確かに！！

「そ、そんな！書記長様のことをお名前では呼べません！！恥ずかしくなってしまいますから…」

「ふーん」

ふーん？

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