一年一度のチャンス【ut】 ページ30
今年もバレンタインという行事がやってきた。今年もチョコが食べられないという幼馴染み、鬱の為だけに、私はクッキーを焼く。
年を重ねるごとに良い感じにできるそれは、彼にしかあげない特別なんだ。
鬱はチョコが食べられない。あまり好きではないらしく、バレンタインにはクッキーな？と言われてしまった。あと、チョコが食べられないことは誰にも内緒らしい。本人曰く女の子傷付けちゃうだろ？らしい。
「よし！今年も上手くできた！」
星形に切り抜かれたそれを冷まして小袋に詰める。
チラリと星形のクッキーの隣にあるハート型のを見る。今年は、入れてみようかな…
ええいままよ！と思い、ハート型を少し入れた。私の想いも、もしかしたらバレるかもだけど、もうどうにでもなれ！
他の皆にはトリュフを作った。その分もしっかり分けて、バレンタインはばっちりやな！
ーーー
「あーーー！！！」
最悪な事態だ。なんと、お父さんがトリュフを１人分食べてしまったらしい。お母さんに怒られているが、自分が言わなかったのも悪いし…
どうしよう…数ちょうどだったからクッキーしか余ってないのに…今から作っても間に合わない。
…仕方ない、１人はクッキーにしよう。
「おはよう皆！バレンタインのチョコどうぞー！」
クラスメート達が次々と取っていく。その中に鬱は居ない。彼は別クラスだからね。
「はい、ゾム」
「ん！ありがとう！ってクッキーやん！」
彼はクラスメートで一番の仲良しだから、特別にクッキーをあげた。
「今年は特別かぁ…ええなぁ。ありがとう！」
皆喜んで貰えてなによりだ。
ーーー
放課後、鬱を呼び出すと両手に紙袋を持って、彼は現れた。中身を見ると全部チョコ。さすがスターというか。
「ごめんなA、遅れて」
「ううん。はいこれ」
「…おん。ありがとう」
ん？なんか元気無い？
「あー、ごめん、俺嫉妬してしもうて…ゾムにもあげてたやん、クッキー…」
「あ！そうなの、実は…」
私は今朝の出来事を話した。鬱も、おじさんならやりそうやなぁと笑った。
「ごめんな？でも鬱のクッキーはハート型しかないから！」
「は？まじ？」
ゾムのに星形を全部入れ、鬱の分は全部ハート型にした。
「わ、私の本命は鬱しかいないから！」
恥ずかしくて教室を飛び出す。もう彼の顔なんて見れない。
その日の夜に告白されて付き合うことになるのはまた別の話。
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ほたて(プロフ) - ピッピ168号さん» お話を読んでいただき、コメントをくださり、ありがとうございます！続き書いてみます…！ (7月1日 20時) (
レス) @page26 id: 70a6573ceb (このIDを非表示/違反報告)
ピッピ168号 - あの、サプライズ【ut】の夢主ちゃんの誤解が解けたあとのお話って、書いていただけたりしますか…？ (7月1日 14時) (レス) @page26 id: bae95beb1a (このIDを非表示/違反報告)
ほたて(プロフ) - まるさん» こちらこそ、ご指摘していただいてありがとうございました！作品を読んでいただいてありがとうございます！ (2023年4月21日 19時) (レス) id: 70a6573ceb (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - ほたてさん» なるほど！？そうだったのですね…。こちらも確認不足で申し訳ないです💦 続編ということで、一旦スルーしていたのですが、該当作品を見た後にまた戻ってきます！ (2023年4月20日 23時) (レス) id: 33402943a7 (このIDを非表示/違反報告)
ほたて(プロフ) - 烏丸さん» ありがとうございます！読んでいただいてとても嬉しいです！バッドエンド苦手意識がありましたが、褒めていただいて自信がつきました！これからもがんばります！ (2023年4月19日 23時) (レス) id: 70a6573ceb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ほたて | 作成日時：2022年3月1日 23時
