2時間目 ページ3
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「そらるせーんせー」
「まふまふ、その呼び方はやめろってば」
「そーゆーそらるさんだって、僕のこと"まふまふ"って呼ぶじゃないですかあ」
職員室に提出物を出しに向かえば、そのドアの前で
『そらる先生、まふまふ先生』
「なんで城田までそう呼んでくるんだよ…」
「僕のおかげですねっ」
「…余計なことを。」
白い髪の毛を揺らしてきゃっきゃと愉快そうに笑うのは、学校専任のカウンセラーをしている相川真冬先生。
といっても、大学を卒業したばかりの新任。
空戸彼方先生の後輩でありながら、幼い頃からの付き合いもあり2人は仲がいい。
そう、…"そらる" "まふまふ"は幼い頃からのあだ名なんだとか。
途端にそれが校内に知れ渡り、生徒は勿論、先生たちまでもがそのあだ名で呼ぶようになった。
『いいじゃないですか、そらる先生』
「ほらほら、城田さんもそう言ってくれてますし」
「そういう問題じゃなくて…」
…まふまふ先生はともかく、生徒や先生達が何故"そらる先生"と呼ぶのかというと、理由は簡単。
クールでお堅い国語教師の空戸彼方が"そらる"という可愛いあだ名で呼ばれているのが面白いから、だ。
「まふまふは良くても、俺は良くないんだよ」
「そらるさ…先生は、愛想が悪いんですよ〜!ほら、僕みたいに愛想を良くすれば…」
「お前の場合は、"あざとい"の間違いだろ」
「えっ、酷すぎません?」
あっという間に2人の世界。
"あざとい"という形容通りに真冬先生はフグのように頬を膨らませながら先生に怒っている。
めんどくさ〜、という顔をしてそらる先生は頭をかいた。
『あぁ、そうだ。そらる先生、これ。』
「ん、何?…あぁ、課題のプリントか。」
『提出が遅れてすみません』
「いや、いいよ。いつも通りちゃんとやってるし。…授業もこんな風にちゃんと受けてほしいんだけど。」
『難しいこと言わないでくださいよ〜』
「……」
すっごい睨まれた。
「やっぱり、城田さんとそらる先生は仲いいですね〜。」
いつも通り、という付け足された言葉にギクリとする。
まふまふ先生はいつも通りにこにことしていて、掴めない。
「…ふふ、それじゃ。」
まふまふ先生は長い前髪を赤いピンで横に留めて、職員室横のカウンセリングルームに戻っていった。
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ちょこ2(パソコン変わりました≪元ID 5ad0b4ef6a≫)) - 更新が止まってます!戻ってきてください!続き楽しみにまってます!(´;ω;`) (7月24日 3時) (レス) @page8 id: c7ac99c812 (このIDを非表示/違反報告)
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