死人が出る遊園地 (ページ42)

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自己紹介/紅月染雨ページ42

今家には俺しかいない。
だから俺がいなくなると泥棒が入り放題なのだ。
それは困るのでホー○アローンをお手本に罠を仕掛けておいた。

ここに入り込んだ泥棒よ！せいぜい俺がかけた罠に苦しむがいい！

俺は芸に使うナイフを複数仕込んだ。え？何に使うかだって？

もちろん投げるんだよ！()

「さっ！行こうかジョーカー！」

俺は道化師の仮面を顔に着けて家を出た。

―――

「おおー！ここか！」

―異様な雰囲気を放つ遊園地に全く臆することなくぴょこぴょこ飛び跳ねている染雨はある意味すごいと言えるだろう。―

ジョーカーは今俺の荷物に隠れている。

その時後ろから

「あの！素敵な髪ですね！」

と落ち着いた声が聞こえた。

振り返るとその子は大きくて綺麗な目をした可愛い女の子だった。

素敵……？この髪が……？

師匠とサーカス団以外の人にそんなことを言われたの初めてだった。

気味悪がらないのか…？

「名前教えてくれませんか？私上田凛々です！」

凛々…

「あ、ありがとう。俺は紅月染雨だよ。」

動揺を落ち着かせられていないまま俺が返すと、何故かハッとしたような顔になって、頭を下げてきた。

ええっ！？どうして！？

「ああ！す、すいません！急に馴れ馴れしく話しかけちゃって！(ああ、どうしよ、女子だと思ったよ髪長いし顔わかんなかったしああどうしよ声聞くまでわかんなかったよ。)」

「い、いや、大丈夫だよ！凄くうれしかったし！」

上田凛々、彼女は男性と接するのが苦手なのだ。

俺達がわたわたしていると、なんだか強そうな雰囲気の女の子がやってきて、自己紹介が始まった。

…カッコいい！

その子の名前は諏訪部大和というそうだ。

成程、リーダーなのか！

―その時一瞬空気が凍り付いていたのだがそれに全く気が付かない染雨は俗に言う天然というやつなのだろうか―

その後も皆が順に自己紹介をしていった。

ええっと、俺もするか！

「俺は見習い道化師の染雨だよ！趣味は絵を描くことなんだ！よろしくね！」

そう言って俺は芸の始まりのように頭を下げたのだった。