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自己紹介/天宮 冷治 ページ35

俺の親は毎日調査で家にいることがほとんどない。
だから家を抜け出すことなんて、容易いことだ。

俺は手錠と木刀を持ち家を出た。


―――


「ここか…。」

数分歩けばすぐに目的地に辿り着いた。


「いや、しかしオーラヤバいな…。バッドエンドしか無さそうなオーラしてるぞ…。」

そんな禍々しいオーラを放った遊園地の前には、きっと俺と同じ手紙を貰って来たのであろう子供達が集まっていた。


どうすればいいのか分からず黙り込んでいると、どこか恐い笑みをうかべた女が来て喋り始めた。

「やあ、君たちのリーダーになる諏訪部大和だよ。因みにリーダーは手紙で任された。どうぞ宜しく。」

そう言って女…諏訪部が手紙を見せた。


諏訪部大和…?


あの、グランギル・マフィアの幹部か…?


だが口に出せば死が訪れる恐怖を感じて、口を開けなかった。



そして副リーダーだと名乗った黒瀬と諏訪部が握手を交わそうとしたその時、




「……諏訪部大和……?」




と穂村が呟いた。

穂村は俺の両親が写真を見せてきたから知っている。
あちらが俺を知っているかどうかは知らないが。


穂村の呟きを聞いた諏訪部が血の凍りそうな笑みをうかべて

「私がどうかしたかい?」

と聞いた。


「お前は……!グランギ――」



その時俺の頭を同情が埋め尽くした。






終わったな。






だが意外にも穂村は赤く染まらなかった。

それでも穂村の顔が恐怖の色に染まったのを見て、俺は俺達から見えない位置で何かされたなと悟った。



穂村はため息をつき、

「……一途に手を出したら殺すで。」

と脅し文句を放った。

諏訪部は全く動じず、

「うふふ、願望だよ。」

と返した。




あぁ、俺も自己紹介しておこうか。


「俺は天宮冷治だ。」


必要最低限の自己紹介。
人と親しくなることに、意味なんてない。

大切な人をつくってしまえば、なくした時に哀しくなるだけだ。



だが、透のような奴はもう出さない。






復讐を、やり遂げる。






その瞳に強い光を宿して冷治は頭を下げたのだった。

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レイレイン - 更新しました。 (2021年7月9日 16時) (レス) id: 7452374b41 (このIDを非表示/違反報告)
レイレイン - 少し更新します。 (2021年7月9日 15時) (レス) id: 7452374b41 (このIDを非表示/違反報告)
柊 琥珀(プロフ) - 更新しました。続編に移動しましたので、リレー小説派続編の方で再開を御願いします。また、パスワードは変わっておりません。 (2021年5月13日 18時) (レス) id: 435b6bd12b (このIDを非表示/違反報告)
柊 琥珀(プロフ) - 更新します (2021年5月13日 15時) (レス) id: 435b6bd12b (このIDを非表示/違反報告)
セイラ★ - 更新しました。 (2021年5月13日 15時) (レス) id: 37509ad08d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:柊 琥珀 x他13人 | 作成日時:2021年4月28日 23時

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