恐怖/目映 優太 ページ11
「目映くん、夜遅くまでお疲れ様。…明日からはしばらくお休みだから、ゆっくり休んでね」
「はい。送ってくださりありがとうございました」
優太は疲れで侵された体を最後まで緩めることなく、マネージャーに礼儀正しくお礼をする。マネージャーの車が見えなくなると、疲れと喜び混じりのため息を吐く。この1週間はハードスケジュールだったからだ。優太はモデルという職についている。そして最近は、雑誌だけでなくテレビ出演までし始めたのだ。そして今は、最後の撮影が終わり家に帰ってきたところである。
優太は、いつもより重く感じる扉を開けた。
「優くんおかえり。あ、そうそう。貴方あてに変な手紙が届いたのだけど、よくわからないから貴方が見てちょうだい」
「…手紙って?」
何か仕事に関することか。それとも、何か別のものか。手紙を出して、その内容を確認する。
「…遊園地事件の真相を共に解き明かさないか…?」
それは最近噂になっている遊園地についての手紙であった。そして、その遊園地の真相を共に解き明かさないかという、不思議な内容であった。
何これ、どうして僕のもとに?…怖い、一体どうしたらいいのか。
という思いが優太の頭をよぎる。そしてその手紙を握りしめると、自分の部屋へと向かった。
椅子に座り、手紙を眺めていた。
しばらく眺めていると、スマホのバイブ音が鳴った。優太はスマホを手に取り、相手を確認する。そこには「夜宵」の文字があった。
応答の文字をタップする。
「もしもし、優太?変な手紙は届いた?」
「あぁ、届いてるよ」
夜宵のもとにも届いたとは。驚きながらも普通を装う。
「どうする?私は行こうと思ってるんや」
「なら僕も行こうかな」
「そう、ならまたね」
ツーツー…と通話が終わり、スマホの画面をもう一度眺めた。
"なら僕も行こうかな"なんて、格好つけて言ってしまったけれど、本当はとても怖い。恐怖でいっぱいだし、スマホを持つ手だって震えている。
でも___
「…言っちゃたんだから、仕方ないのかも…」
「やってやる」と小さな決意を灯して、事件の真相を解き明かすこととなった。
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レイレイン - 更新しました。 (2021年7月9日 16時) (レス) id: 7452374b41 (このIDを非表示/違反報告)
レイレイン - 少し更新します。 (2021年7月9日 15時) (レス) id: 7452374b41 (このIDを非表示/違反報告)
柊 琥珀(プロフ) - 更新しました。続編に移動しましたので、リレー小説派続編の方で再開を御願いします。また、パスワードは変わっておりません。 (2021年5月13日 18時) (レス) id: 435b6bd12b (このIDを非表示/違反報告)
柊 琥珀(プロフ) - 更新します (2021年5月13日 15時) (レス) id: 435b6bd12b (このIDを非表示/違反報告)
セイラ★ - 更新しました。 (2021年5月13日 15時) (レス) id: 37509ad08d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柊 琥珀 x他13人 | 作成日時:2021年4月28日 23時