しにたい少年【ヒロアカ】 (ページ5)

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敵連合ページ5

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「こんなの後出しジャンケンだ」

「一度捨てた命を拾ったんだ。文句言うな」

死柄木に連れられ、Aは敵連合のメンバーと顔を合わせていた。

どこかで聞いたことにある組合名だと感じていたAは、荼毘の顔を見てハッと死柄木を振り返る。指名手配されてる放火魔だ。

どう見ても怪しい死柄木に自ら着いてきたAは何も言えないが、心の準備だとかいろいろあったんじゃないか。
自身の顔を見て苦言を呈するAに気を悪くしたのは荼毘だ。

「おい死柄木、なんだこのガキ」

本物の殺気にAはこっそり唾を飲む。

数時間前まで何も知らない一般人だったのだから、ちょっとくらい配慮してくれたっていいんじゃないか。"そういうの"が効かない集まりなのだろうが。

「俺たちの新しい仲間だ。ほら、自己紹介」

まるで転校生のような扱いに、Aは少しだけ面白く思った。年齢も性別もさまざまな彼らがアカデミア(学園)の一員に見えただなんて。

「Aです。さっき死柄木さんに拾われました」

「捨て犬か？元いた場所に返してこい」

「人間だけど？」

ただの自己紹介にも突っかかってくる荼毘にAはイラッとした。しかしその原因を作ったのは紛れもなくA自身なので反撃はできない。
コンプレスが「威勢のいい坊ちゃんだなあ」と呟いた。

「リーダー直々のスカウトなんだから仲良くしましょうよ」

「悪ぃが仲良しこよしの集まりじゃねェんだ」

「子供相手に意地を張るのもどうかと思うぜ」

「いつ誰が意地を張ったって？」

比較的常識人のマグネとスピナーが荼毘に声をかけるが呆気なく惨敗した。いつにも増して不機嫌な荼毘を疑問に思う死柄木に、こっそりとコンプレスが寄って耳打ちする。

「さっきまでスカウトに出てたらしいんだが、どうやらそこで地雷踏み抜かれちまったみたい」

「ああ、なるほど」

タイミングが悪かっただけらしい。しかし、事情を知る由もないAは荼毘のイメージを固めてしまった。