とある歌い手のシェアハウス【本編】 (ページ3)

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入居_2 ページ3

…玄関？

これは玄関より、広めのホールだろう。

「今日はとりあえず、部屋に案内するね。」

「わかりました」

「緊張するね…」

「そうですね…明日って自己紹介とかするんでしょうか、噛みそう…！」

「わかる…！！」

そんなことを話しつつ、ネムノキさんの後についていく。

「ちぃ、こっち来てー」

「お呼びー？」

「三崎さんの部屋案内してあげて。あと自己紹介」

「あいよー。私は加賀美知抄！toyboxのdollだよ、よろしく！」

「知抄さん、案内よろしくです！」

「…じゃ、お願いね、ちぃ。行こうか、未重さん」

「あ、はい」

……気のせいだろうか。

今、三崎さんに睨まれたのは。

…気のせいだと、信じたい。

三崎さんが、こんなことするはずない。

あんないい人が。疑うのはよくない。

「…似てる」

「なにが？」

「あ、いえ、なんでも」

つい、口に出してしまったようだ。気を付けなければ。

「…部屋の説明なんだけどさ。ちょっと難有りというか。」

え？

「1人だけ棟が離れちゃうんだよね」

「あぁ、それは大丈夫です…その方が助かります。」

だって緊張するもん。

「そっか。ならよかった。……で、その部屋今まで使ってなかったというか…」

……え？？

汚いってこと？何？私物置に住むことになるの？？

「そうだね、物置部屋として使ってたとこ」

「あ、口に出てました…？申し訳ないです」

「大丈夫だよ。誰だってそうなるよね。
…で、1から掃除とかしてもらうことになるんだよね。」

なんだ、そんなことか。

「それなら大丈夫です。いつも姉に家事を叩き込まれていたので…」

「大変だね。……その姉見覚えあるなぁ」

「え？」

まさかの昔からの知り合い…？

……違うか。姉の知り合いとかじゃないかな。うん。