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「はぁ」
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残業とかありえない。
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同僚の女子が
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『ごめーん。やっといてくれるぅ?』
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って渡してきた一冊のﾌｧｲﾙ。
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『それ全部読んでまとめといてぇ?』
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けっこー重い...
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「あぁ。もう!最悪っっっっ!!!!」
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頭を掻く
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しかもその同僚私に仕事押しつけて先帰ってった
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今は会社に一人。静かな部屋にパソコンのキーボードの音だけが響く。
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「あれ。もうこんな時間??」
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時計を見れば12:30
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終電はとっくにすぎてる
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「はぁ。もう本当ついてない...」
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押しつけられた仕事も片付き
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家へ帰る
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「でも電車ないしなぁ」
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駅の方に行ったもののやっぱり電車は朝になるまでない。
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?「あれ??何してるんですか?」
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遠くの方から声がして振り向くと
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「あ。隣の...」
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二宮「二宮です。どうしたんですか」
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そう言いながら隣の美少年はこっちに寄ってきた
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よく見ると自転車に乗っていて何かの帰りみたいだ
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「あんたこそ何やってるのよ」
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二宮「...バイトの帰りですかね」
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深夜までやってるんだ...
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「ふぅん...」
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二宮「そっちは??」
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「仕事帰り。でも電車がないからどうしようもなくて」
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二宮「じゃぁ。後ろのっていきます???」
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「は?」
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後ろって自転車の?
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「二人乗りは駄目でしょ」
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二宮「なに堅い事言ってるんですか。乗って!!!」
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「ちょ、」
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強引に手を引っ張られ後ろに乗せられた。
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二宮「出発進行ーーー!」
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無邪気に笑って自転車をこぎ始めた
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この笑顔のウラに何があるか
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気付いてればあんなことにもならなかったのに。
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作者名：桜也 | 作成日時：2011年12月27日 16時
