エピソード36 ＊ 旅立ち ページ42
いよいよ今日は、沖縄へと向かう日だ。
なるべくいらないものは警察に預けて行き、いざという時のために荷物は少なめにしておく。
家族写真や着替えなどはすぐにバッグに詰め込み、残ったものは容赦なく選別して量を減らそう…。
「…あ、コレは」
指先に当たった固いものに目を向けると、そこには木箱があった。
エイリアとの戦いに追われ、この木箱のことを気にしている余裕がなかったのだ…。
そっと木箱を開ける。そこには、相も変わらず美しく輝く紫の宝石が埋め込まれた、三日月型のネックレスがあった。
正直、これを持っていく必要はないような気がする。
でも…そうしてはいけないような気がした。持っていかなければ絶対にダメな気がする。
…きっと後悔する。
「……」
そっとネックレスを付けてみる。
初めて付けたのに、どこか体にすっかり馴染んでいるような…そんな感覚。でもそれは決して不快ではなかった。
「…むしろ、なんだか…あったかい」
ポツリ、と呟いたその言葉は誰に拾われることもなく、空気中に溶けていった。
「じゃあ、後追いで警察も沖縄に向かう。それまでエイリアに居場所がばれないように努めてくれ…」
「「わかりました」」
空港で飛行機に乗り込む直前まで、鬼瓦さんと豪炎寺とで詳しいことを話し合っていた。
どうやら、沖縄には鬼瓦さんのツテで泊まる場所を提供してくれる人がいるのだという。しかも三食ご飯付き。
よくOKしてくれたな、相手の人…と思いつつ、あたしと豪炎寺は鬼瓦さんに見送られて、飛行機に乗り込んだ。
「…いよいよね」
「あぁ…。頼んだぞ、日渡」
「全力を尽くすわ」
お互いに声を掛け合いながら、あたし達はもう引き返せない道へと歩んでいく。
泊まることもできない道の最中で、あたしと豪炎寺が言葉を交わすことはなかった…。
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北星 ベガ(プロフ) - 璃鶴さん» コメントありがとうございます!!すごく嬉しいです、頑張ります!(*^^*) (2017年9月11日 15時) (
レス) id: bad6c4af49 (このIDを非表示/違反報告)
璃鶴 - 面白いです!更新頑張ってください!応援してます! (2017年9月11日 7時) (レス) id: 866aa428c6 (このIDを非表示/違反報告)
北星 ベガ(プロフ) - あいかさん» ありがとうございます笑 (2017年7月24日 11時) (レス) id: bad6c4af49 (このIDを非表示/違反報告)
あいか(プロフ) - 頑張ってください！応援しています！ (2017年7月24日 7時) (レス) id: 70607cf5f4 (このIDを非表示/違反報告)
北星 ベガ(プロフ) - あいかさん» 初めまして! 更新が滞っておりすみません。更新再開に向けて頑張りますので、どうか待っていただけると嬉しいですm(_ _)m (2017年7月16日 13時) (レス) id: bad6c4af49 (このIDを非表示/違反報告)
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