エピソード34 ＊ 真意と別離 ページ40
「結論を出すのは、監督の考えを知ってからでも遅くない」
鬼道がそう言うと、ずっと俯いていた豪炎寺が顔を上げた。
…彼もまた、監督のやり方に納得がいっていなかったのだろう。
親友が傷付けられる姿を見るのは…何度でもつらいはずだ。
「…なんだよ、考えって」
「監督も言っていた通り、前半を終えた時点で俺たちの体力は限界に達していた。もし後半、あのまま俺の作戦で試合を続けていたら、どうなっていた?」
静かに鬼道が告げる。
…その場合、きっとあたしたちの体力は底をついていただろう。
ましてや、エースストライカーである豪炎寺がシュートを決めたくても決められない状況。
32-0よりももっとひどい…それこそ、全員が病院送りになってもおかしくはなかった。
「じゃあ監督は、俺たちを守るために?」
「そういうことだったんでヤンスか!!」
「…でも、本当にそれで良かったのか?どんな状況でも全力で戦う。それが俺たちのサッカーだろ!!」
「フッ…土門の言うとおりだぜ。円堂を犠牲にして俺たちだけ助かって…そんなの雷門のサッカーじゃねぇ!」
…言いたい事はわからなくもないが…そこまで、雷門のサッカーとやらに固執する必要はあるのだろうか?
思わず口を衝いて出そうになった言葉を、あたしは喉の奥に押し込んだ。
瞬間、扉が開く音と共に聞こえてきたのは…
「それは違う!」
という、円堂の声だった。
円堂曰く、監督はジェミニの奴らを使って円堂に特訓をさせていたらしい。
球筋が見えた…それは、すごい進歩だ。
「あ、監督…」
監督への称賛の声が飛び交う中、監督が姿を現す。
立ち止まった瞳子監督の視線が…確かに、豪炎寺を捉えた。
瞬間、あたしのなかの何かが反応した。
…その時が来た、と。
「…豪炎寺君。あなたには、チームを離れてもらいます」
目を見開く豪炎寺。
チームメイトから上がる驚愕の声。
しばらく豪炎寺は、監督の意図をつかめていないようだったが…真意がわかった瞬間、彼はチームメイトに背を向けた。
「ちょ、ちょっと待てよ豪炎寺!!どういうことですか監督、豪炎寺に出て行けなんて」
「ちゃんと説明してください!!」
「私の使命は地上最強チームを作ること。そのチームに豪炎寺君は必要ない。それだけです」
淡々と告げる監督に、円堂が反論した…その時。
豪炎寺はチームから離れるように歩き出した。
豪炎寺を追いかけた円堂から目を離し、あたしはこう言った。
「あたしも、このチーム抜けますね、監督」
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北星 ベガ(プロフ) - 璃鶴さん» コメントありがとうございます!!すごく嬉しいです、頑張ります!(*^^*) (2017年9月11日 15時) (
レス) id: bad6c4af49 (このIDを非表示/違反報告)
璃鶴 - 面白いです!更新頑張ってください!応援してます! (2017年9月11日 7時) (レス) id: 866aa428c6 (このIDを非表示/違反報告)
北星 ベガ(プロフ) - あいかさん» ありがとうございます笑 (2017年7月24日 11時) (レス) id: bad6c4af49 (このIDを非表示/違反報告)
あいか(プロフ) - 頑張ってください！応援しています！ (2017年7月24日 7時) (レス) id: 70607cf5f4 (このIDを非表示/違反報告)
北星 ベガ(プロフ) - あいかさん» 初めまして! 更新が滞っておりすみません。更新再開に向けて頑張りますので、どうか待っていただけると嬉しいですm(_ _)m (2017年7月16日 13時) (レス) id: bad6c4af49 (このIDを非表示/違反報告)
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