エピソード32 ＊ 根性 ページ38
「な、なんでしょうこのフォーメーションは!?キーパーの円堂の前ががら空きです!!」
「皆頼んだぞ!!ゴールの前は任せとけ!!」
驚く実況と、円堂の声がコートに響く。
さっきからずっと監督の方を見つめる鬼道は何かを思案しているようだった。
…そんな中。
「……」
チラリ、とエージェントの方を振り向く豪炎寺。
その顔はやはり険しい。
「…フン、何をやっても無駄なこと。構わん、叩き潰せ」
レーゼがチームにそう命令したと同時に、後半戦の開始を告げるホイッスルが鳴った。
開幕早々飛んでくる、相手フォワードの強烈なシュート。
あっという間に前衛を固めていたあたしたちの間を抜き去り、円堂の眼前へと飛んでいってしまう。
…もちろん、円堂は為す術もなく吹き飛ばされてしまった。
クッと歯を食いしばった鬼道が叫ぶ。
「…皆!!ボールをキープして攻めるんだ!!」
ショートパスを回しながら上がる。
しかし、それもあっという間に阻止され、相手はどんどん円堂へと近づいていく。
「円堂ッ…!!!」
彼の名前を呼んで走り出そうとした豪炎寺は、エージェントが視界に入った瞬間、歯を食いしばって動きを止めてしまった。
助けたくても助けられない…きっと豪炎寺の中に渦巻くそれは、今じゃどうしようもできない…!!
(あぁ、あたしはそれを取り除いてあげたいのか…。
きっと無理だってわかっていても、それでも、あなたを助けたい…のかも、しれない)
…そのまま試合は進み、後半の途中。
鬼道は何かに気付いたようだった。
残念ながら、あたしは未だに監督の意図が掴めずにいる。
ただ現状を述べるなら、ゴール前で円堂が倒れ込んでいる…ということしか、説明ができない。
「…どうやら試合はここまでのようだ。これでお前たちも分かったはずだ…大いなる力の前では、いかにお前たちが無力であるかが」
「…何勝った気になってんだよ…まだまだ試合は終わっちゃいないぜ…」
フラフラになりながらも立ち上がった円堂に驚きを隠せないあたしたち。
各々から驚きの声が上がる中、円堂はこう言った。
「俺なら大丈夫だ…!!もう、点はやらない!!」
「…だめだよ、皆!!これ以上やったら、今度は本当に円堂が…!!」
「…円堂は、言っても聞かない奴だとわかってる…。とにかく一点だ!何が何でも取っていくぞ!!」
皆がその声に応える中、レーゼが呟いていたのをあたしは聞いた。
「…愚かな」
(愚かなんかじゃないよ…多分)
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北星 ベガ(プロフ) - 璃鶴さん» コメントありがとうございます!!すごく嬉しいです、頑張ります!(*^^*) (2017年9月11日 15時) (
レス) id: bad6c4af49 (このIDを非表示/違反報告)
璃鶴 - 面白いです!更新頑張ってください!応援してます! (2017年9月11日 7時) (レス) id: 866aa428c6 (このIDを非表示/違反報告)
北星 ベガ(プロフ) - あいかさん» ありがとうございます笑 (2017年7月24日 11時) (レス) id: bad6c4af49 (このIDを非表示/違反報告)
あいか(プロフ) - 頑張ってください！応援しています！ (2017年7月24日 7時) (レス) id: 70607cf5f4 (このIDを非表示/違反報告)
北星 ベガ(プロフ) - あいかさん» 初めまして! 更新が滞っておりすみません。更新再開に向けて頑張りますので、どうか待っていただけると嬉しいですm(_ _)m (2017年7月16日 13時) (レス) id: bad6c4af49 (このIDを非表示/違反報告)
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