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リンゴ売りの少女 ページ2
快晴の空に見下ろされた街の雑踏は今日も喧しい。
客寄せの少女、喧嘩をする少年、世間話をする婦人。
―そして、気怠そうにリンゴを売り歩く少女。
「あー、リンゴー、リンゴはいりませんかー」
少女はきれいな銀色の髪を靡かせ、人の賑わう街を歩いていた。
不意に路地を曲がり、日陰に当たった階段しゃがみ込む。
「あー、もう。全然売れないじゃん。さーいーあーくー。」
はあ、ため息をついた。
少女の名前は、エル・グリムヒルド。
エルは、先程買い物をしたお店でおまけに貰ったリンゴを売っていた。
「何で、よりによってリンゴ?私、リンゴ嫌いなのに。」
いらないのなら誰かにあげる、という手もあるのだが幼くして母親を失い、孤児となったエルには、
売るという選択肢しか思いつかなかったのである。
この時はまだ知らなかった。
わずか数秒後に自分の身に災いが起きることを。
この人が某童話の某ヒロインだと気付くのはまだ先なようで。→←白雪姫の物語
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作者名:詩乃 | 作成日時:2017年4月15日 18時