産屋敷輝利哉の婚約者 参 【鬼滅の刃】

幸せと不安６ ページ34

A「水蓮っ！！」




水蓮の叫び声が聞こえて、必死に水蓮のもとへ走ったら少し開けた場所に出た。

森の中だというのに、今も月明かりが照らしている。








目の前に見えたのは、腕に傷を抱えながら走る水連とそれを美味しそうに見つめる鬼の目だった。







水蓮「A・・・・・姉・・・？」




A「水蓮、そこから動かないで、絶対に。」


いつもの私とは違う、真剣な物言いに少したじろぎながらも言うことを守る水蓮。







もうこれ以上、傷つかれるのは御免だ。




『なんだお前、途中から入ってきやがって、でもこいつよりかは食い付きが良さそうだ。
　仕方ねぇ、お前で手を打ってやる。』







少し顔を赤くしながら、私の体を舐め回すようにジロジロと見るコイツ。



気持ちが悪い。






A「…紅の呼吸、紅薔薇」





『はっ・・・』



ズルっ、そう効果音を立てて鬼の首は胴体から崩れ落ちた。

『ぐあっ、ああああああっっ！！！！』





その後、鬼の体だけが悶え苦しみ始めた。






水蓮「ひっ、・・・」






これはそういう技だ。


首を斬った後、薔薇の棘により内蔵に穴を開けて破壊していく技。

一番、使いたくなかった技だ。なのにっ・・・・






『ク・・・ソヤロ・・・ォ』








そう言い残して鬼は塵になってしまった。


惨めだな。
死ぬときになって最後に残す言葉がそれとは。

そんなの誰も涙を流さないと分かっているだろうに・・・

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