141［赤い線が導く終着点］ ページ41
櫻井 side
俺の考えすぎだったのだろうか。
この数日間、撮影が進む中で桃井実子を注意深く見張っていた俺たちと、今日一日が終了する時刻に「大丈夫だった？」と毎日のように連絡を入れるメンバーとは裏腹に、桃井実子が何かアクションを起こす事は一度もなかった。俺たちが知らない場所で、見えない場所で、何か嫌がらせをしているようにも思えない。それはAを見ていればわかる。
嫌悪感を露わにしたり、現場の雰囲気を悪くする事もなく、どちらかと言えばスタッフや監督、架純ちゃんと良い関係を築けているように見受けられた。
錦戸「翔くん……、」
櫻井「ん？」
錦戸「……怖いっすね、」
櫻井「……？」
錦戸「……何もしてこんって、それはそれで怖いっすね、」
櫻井「……あぁ、」
今回、たまたまキャスティングされただけか。
そう考えもしたが、その可能性は低すぎる。身体を張りスポンサーを使ってまで掴んだ仕事、事務所の要注意人物であるあの女が自らこの仕事を選んだとしか考えられない。その現場にたまたまAや俺たちがいた、なんてそんな偶然はあるわけがない。
しかしそこまでしてAに近づきたかった訳は。今まさに側にいるAに何もしないのは何故だ。勿論何もないに越した事はないが、もし何かあった時その現場を現行犯で抑え、この世界から追放しようとも考えていた。
櫻井「……。」
錦戸「で、でも、今日で終わりやし！」
櫻井「……、」
錦戸「大丈夫っすよね、翔くん？」
櫻井「……、」
錦戸「翔、くん……？」
櫻井「……そう願おう、」
錦戸「……っ、」
桃井実子との撮影期間も今日で終了、明日からはまた平和で楽しい撮影がスタートする。注意深くあの女の様子を伺う事もない、ニシキがAを護衛する事も、わざわざマネージャーが三人付く必要はなくなる。
どれほどこの日を待ちわびていたか、どれほど長い一週間だったか。それがやっと今日で終わるのだ。このまま、何もないまま、今日が過ぎて行く事を願うだけ。
A「……。」
有村「Aさん？」
A「……今行く！」
それはそんな願いを込めた最終日の事だった。
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かぽから(プロフ) - さえぽん∞ｶﾗｱｹﾞというアカウントです。<(_ _)> (2017年3月20日 0時) (
レス) id: ecaec57032 (このIDを非表示/違反報告)
かぽから(プロフ) - はじめまして。かぽからと申します。18歳、そしてこの歌を君へ、両方楽しませていただいております。今回、Twitterのフォロリクをさせていただきました！鍵垢となっておりますが、どうぞよろしくお願いいたします。 (2017年3月19日 23時) (レス) id: ecaec57032 (このIDを非表示/違反報告)
マーガレット(プロフ) - 初めまして！ぜひ番外編や裏話も読んでみたいと思い、フォロリクさせていただきました！マーガレットと申します！鍵アカになっていますが、よろしくお願いしますm(_ _)m (2017年3月8日 17時) (レス) id: 160ab03759 (このIDを非表示/違反報告)
七海(プロフ) - はじめまして！いつもこの小説を泣きながら読ませていただいています！( ノД`)…フォローリクさせていただきました、TwitterではNanami@塩素系と申します。是非よろしくお願いします！ (2017年2月19日 11時) (レス) id: 7ffd2cfdcc (このIDを非表示/違反報告)
いろは(プロフ) - はじめまして！いつも楽しく拝見させていただいております！番外編も是非！と思い、フォロリクさせていただきました。いろはと申します！是非よろしくお願いします(^^) (2017年2月19日 6時) (レス) id: 5a0411815b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Rii!
| 作成日時：2017年1月19日 3時
