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@ ページ8

すぐにやってきた薮ちゃんは、伊野尾ちゃんの状態を見て、俺に、少しの間2人にしてくれって頼んできた。


リビングから出て、ドアにもたれていると、薮ちゃんの怒鳴り声が聞こえてきて。


「お前まだあんなことしてんのか!やめろっつっただろ!!」

「やめられるもんならやめたいよ……!
なんで薮までそんなこと言うの!?」

「お前のためになんねぇからだろ!」


それからちょっとして、伊野尾ちゃんの嗚咽が聞こえてきた。


「……ごめん、ついカッとなった。
山田呼ぶけど、」

「いや……山田に、知られたくないよ……」

「そんなこと言ったって、手当てしないと、」


薮ちゃんはいいのに、俺はだめなんだ。
結構、ショック、なんだけど。
この数日間で、ぐんと距離は縮まったと思ってたのに。



そっとドアを開けると、泣いてる伊野尾ちゃんが、薮ちゃんに手当されていて。
その綺麗なはずの体には、たくさんの痣や傷、鬱血のあとが残っていた。



「……知られちゃ、だめなんだよ……」

「知られたくねぇならやめろって言ってんだよ……」

「むりだよ、だって、俺を必要としてくれるんだもん……俺を、あの時、助けてくれたのは……あの人だから……
あの人がいなきゃ、俺今ここで生きてないよ。
だから、俺、あの人になにされても、文句言えない。」


あの人って、だれ?
生きてないってどういうこと?

その、生々しい体の傷跡は、その人につけられたものなの?

@→←@



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大山翔やん(プロフ) - 初めて酢雨さんの小説読みました。このお話素晴らしすぎます。途中泣きそうになりました。 (2017年7月27日 17時) (レス) id: 02797e3c1f (このIDを非表示/違反報告)
ちょっきん(プロフ) - 酢雨さま。完結おめでとうございます。始まった時からこのお話が大好きで、ずっと読ませていただいていました!最後はハッピーエンドで安心しました。素敵なお話ありがとうございました!! (2017年7月26日 21時) (レス) id: b9d9179b71 (このIDを非表示/違反報告)
如月(プロフ) - 完結おめでとう!&お疲れ様です!影ながらずっと読ませていただいてました。とても素敵なお話でした! (2017年7月26日 0時) (レス) id: adf1c6e9c9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみ - このお話大好きです。続きも楽しみにしてます! (2017年5月31日 21時) (レス) id: 1d0093e1d5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:酢雨 | 作成日時:2017年5月11日 18時

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