検索窓
今日:3 hit、昨日:2 hit、合計:906,071 hit

*35*夜中なんで ページ37

「ね…もう俺、限界…ダメ…?」
「「「「ダメ」」」」
「うぅっ…」

瞳をうるませて、痺れたらしい足を押さえる店長。
…いやッ、たってもらわなきゃ申し訳ない!

『てっ、店長っ、立ってください!』
「A〜…」

私を見上げる店長。
かわいらしい甘えたような声は仕様である。

「…A、いいの?」

アンさんが心配そうに私のほうを見る。
それに、私は首を縦に振って。

『いいんです。倒れたのだって、私が悪いんだし…』
「…っ、でも」
「アン」

なおも食い下がるアンさんの肩に、灯油さんがポンと手を置いた。
アンさんは、ぐっと何かを飲み込んだような顔をして。

「…分かったよ」
「よし」

満足そうに頷く灯油さん。
その瞳が限りなく優しいことに、私はもう気づいていた。

そこで、ころあいを見計らったかのようにしゃむくんが後ろから声をかける。

「Aー、お腹すいてない?」
『あ…』

ふと気づけば、お腹がすいていた。
よく考えれば、私、昼ごはんも食べていないわけで。

『すいた、かも…』

私が頷くと、しゃむくんは笑って。

「そかそか。じゃあさ、台所に確かパンがあったから、持っておいで」
『うん』

台所―…と思うが。

…台所とは、どこなのだろう。

そういえば、家の中の案内も途中で終わっていた。

…私のせいなのだが。

*36*一粒→←*34*眼鏡の彼



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (477 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
902人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

来賓 - 天月さんだったら天「〜〜」みたいな感じにしてもらえると嬉しいです!お願いします(・ω・`人) (2017年9月28日 19時) (レス) id: 00ddd4f313 (このIDを非表示/違反報告)
カノン - 読み返し3回目です! (2017年8月8日 12時) (レス) id: 451c3d138b (このIDを非表示/違反報告)
CORITTK2(プロフ) - 読み返し10回目(*^^*)なう〜(*´ω`*) (2016年11月27日 0時) (レス) id: 6ac753d7da (このIDを非表示/違反報告)
- 読み返し3週目なうです (2016年11月11日 22時) (レス) id: b5ff9d8745 (このIDを非表示/違反報告)
彩乃_ayano(プロフ) - 何度読み返しても最高です(*´-`) (2016年9月20日 7時) (レス) id: 1e4aaa14fc (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:さやえんどう | 作者ホームページ:http  
作成日時:2013年2月13日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。