*34*眼鏡の彼 ページ36
96ちゃんに連れてこられたのは、リビングだった。
―…そこには。
「―あっ、A!」
「店長しゃべるな!」
「はいぃい!」
正座させられた店長と、それを囲む―…そらるさん、アンさん、灯油さん、それと…眼鏡の男性がいた。
ちなみに、今声をあげたのはアンさんである。
『えーっと…?』
私が声をかけると、ソファでくつろぎながら“我関せず”といったようすで傍観者にまわっているしゃむくんが言った。
「あー、今ね、店長のお説教タイムだから、気にしなくていいと思うよ」
『は、はぁ…?』
「ほら、Aちゃんのこと倒れさせちゃったから、みんな怒っちゃってさ」
『え!?』
しゃむくんの隣に座っていた天月さんが笑いながら言う。
…てことは。
……………………………私のせいってこと、だよね?
『っ…わあああ!ごめんなさい店長!すみません!』
「わああああ!何!?どうしたのA!」
「店長喋るなって言ってるだろ!」
「無理だよね!」
正座している店長を急いで立たせようとする。
すると、そらるさんがニッコリ笑って、私の手をやさしく取った。
「―…お昼ぶりだね、A」
『え、あ、はい』
「今、ちょっと店長っていう体だけ大人になっちゃった残念な人をなんとかしなきゃいけないんだ」
『はい…?』
「だから…」
クスリ、と笑ってそらるさんは私の耳元に口を寄せると。
「そこで、見てて?」
『―っ…!』
耳元でささやかれた、甘く、官能的な声で、私はどうにかなりそうだった。
な、なんだこの声!
口をぱくぱくさせていると、そらるさんは笑って。
「ん、よし、イイ子」
頭を、なでてもらった。
…思わず赤面。
―…と。
「そーらーる!お前はまた何してんねん!」
「いった…何すんの」
眼鏡の男性が、そらるさんを思いっきりはたいた。
な…なんだなんだ。
すると、彼はものすごくキラキラオーラたっぷりの笑顔を浮かべた。
う…うわぁあ……!
なんかもうオーラが違う。
彼だけ、何かがちがう。異色といってもいいのだろうか。
「はじめまして、赤飯っちゅーんや!Aちゃん、かわえぇな!」
『い、いやっ…ていうか赤飯さん!?』
「そうやで?」
『は…はぁ…』
有名人に囲まれ、そらるさんに囁かれ、…なんかもう頭がぐるぐるである。
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来賓 - 天月さんだったら天「〜〜」みたいな感じにしてもらえると嬉しいです!お願いします(・ω・`人) (2017年9月28日 19時) (レス) id: 00ddd4f313 (このIDを非表示/違反報告)
カノン - 読み返し3回目です! (2017年8月8日 12時) (レス) id: 451c3d138b (このIDを非表示/違反報告)
CORITTK2(プロフ) - 読み返し10回目(*^^*)なう〜(*´ω`*) (2016年11月27日 0時) (レス) id: 6ac753d7da (このIDを非表示/違反報告)
遥 - 読み返し3週目なうです (2016年11月11日 22時) (レス) id: b5ff9d8745 (このIDを非表示/違反報告)
彩乃_ayano(プロフ) - 何度読み返しても最高です(*´-`) (2016年9月20日 7時) (レス) id: 1e4aaa14fc (このIDを非表示/違反報告)
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