検索窓
今日:20 hit、昨日:3 hit、合計:906,091 hit

*16*思惑 ページ17

*アンダーバーサイド*

―…Aと96店長が出て行ったあと、リビング。


「ねえねえしゃむ月ー」

俺がそう声をかけると、二人はこちらを振り向いて。

「「はい?」」

おお、そろったそろった。

「あのさー、まふくん見てきてくれない?」

上の階を指で指すと、二人は頷いた。
やっぱりお前らも心配そうにしてたもんな。

立ち上がる二人に、一応忠告。

「…あんまり無理させんなよ」

―…まあ、分かってるだろうけど。

少し低くなった俺の声を聞いて、二人はすぐにその意味を理解してくれたみたいで。

「分かったよ、アンさん。大丈夫」
「とりあえずご飯食べさせれば大丈夫でしょ」
「うん、ありがとね〜」

それが分かったから、俺も“いつもの”ふわふわした口調に戻る。

2人は、話しながらドアから出て行った。


よかったよかったー、優秀な後輩を持ったな、俺も。

すると、入れ違いに灯油が入ってきて。

「お、お帰りなさーいジェントルマン灯油」
「…は」
「だから、ジェントルマン灯油」
「…………アン、頭おかしく…なってるのはいつもだけど」

…灯油は遠慮がないな。
ストレートに。まさにストレート。

しかし、全く悪びれずソファに座る灯油に苦笑をもらしつつ、俺はさっきからずっと言おうと思っていた言葉を口に出す。

「ねえ、―…灯油も気づいてるでしょ?」
「…?」

…あ、だめだこれ何言ってるか分かってない顔だ。
周りには“寡黙!”とか言われるんだろうけど、この人実は相当ボーっとしてるよ。

「Aちゃんのこと」

俺がそう言うと、灯油はやっと気づいた様で。

「―…ああ。ついさっきだけど」

と、言った。
お、さすが。

「やっぱり?んで、他に気づいてる人は?」
「俺の予想では、多分店長。他は、まだ。…でも、ここにいる奴らがいる奴らだし、気づくのも時間の問題だぞ」

“バレたくないんなら、どうにかしないと”
灯油はそう言う。

「やっぱ店長も気づいてたかー」
「分かってたくせに、よく言う」
「あは、バレた」

伸びをしながら笑う。

あー、もうこいつ観察力に長けすぎてるんだよなぁ。

「で、バレないほうがいいの?」
「んー…そらるさんからそんな指示はきてないなぁ」

ていうか、教えてもらってもいない。
けど、多分あの人は俺らが察することくらいお見通しだろう。

―…まあ、でも。

「とりあえず、黙っててもらってもいい?」

一応、ね。

そう言うと、灯油はフッと珍しく笑みを漏らして。

「当然」

と言った。

*17*廻りあわせ→←*15*キャラ爆発!



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (477 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
902人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

来賓 - 天月さんだったら天「〜〜」みたいな感じにしてもらえると嬉しいです!お願いします(・ω・`人) (2017年9月28日 19時) (レス) id: 00ddd4f313 (このIDを非表示/違反報告)
カノン - 読み返し3回目です! (2017年8月8日 12時) (レス) id: 451c3d138b (このIDを非表示/違反報告)
CORITTK2(プロフ) - 読み返し10回目(*^^*)なう〜(*´ω`*) (2016年11月27日 0時) (レス) id: 6ac753d7da (このIDを非表示/違反報告)
- 読み返し3週目なうです (2016年11月11日 22時) (レス) id: b5ff9d8745 (このIDを非表示/違反報告)
彩乃_ayano(プロフ) - 何度読み返しても最高です(*´-`) (2016年9月20日 7時) (レス) id: 1e4aaa14fc (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:さやえんどう | 作者ホームページ:http  
作成日時:2013年2月13日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。