*12*説明 ページ13
「…で、一階は玄関ホールと食堂とキッチンとこのリビング。あとバスルームが大きいのが二つ。右に女性用があるからそっちに入ってね」
『は、はい!』
え、えーっと。
ここのリビングを真っ直ぐ行ったところにある扉の奥に、食堂があって。
食堂と隣接されたキッチンがあって。
そんで、リビングの右側の扉を行けば女性用バスルーム。
必死に覚えていると、店長が茶化したように。
「別に左側入ってきてもいいよー?俺が間取りとかイロイロ、ゆーっくり教えてあげるから」
「なななななななに言ってんですか店長さん!」
「えー、何あせってんのしゃむくぅん。お姉さんに言ってみなさい?んー?」
「くっ、96猫さんまで…!」
どうやら、96店長でしゃむくんをいじる方向に転換したらしい。
ていうかなんでしゃむくんがあせるんだろう。
すると、天月さんが口を開いて。
「まあ、ああ言ってるけどちゃんと教えてあげるから、ね。二階は完全に個人の部屋になってるから、入るときはきちんと許可を得るかノックして。」
『はい、分かりました』
…やっとまともな人に出会えた感がいなめないが仕方ない。
アンさんが未だからかわれているしゃむくんを面白そうに見てから、私に笑いかける。
「さっきの玄関ホールの階段あったでしょ?右側には、96ちゃんと店長と…あと、さっきの」
『あ…』
―…さっきの、あの美少年。
今でも鋭い眼光が浮かんでくる。
「あいつの歌い手名、わかる?」
『わ、分かりません』
天月さんの問いかけに、どもりつつ答える。
すると、しゃむくんを解放したらしい96ちゃんがやってきて。
「まふまふ、っていうんだよー。…知ってる?」
『え』
「その顔は知ってるね」
『…はい、知ってるなんてものじゃないです』
まふまふさん。
高音がすごい綺麗な歌い手さんで、すごく尊敬している歌い手さんの一人だ。
じゃあ私、その人に嫌われちゃったの…!?
『…はぁ』
「あ、ため息。だめだよ幸せ逃げちゃうよ」
96ちゃんが苦笑する。
『だって…私嫌われるような顔してましたかね…』
思わず落ち込みまくる私。
すると、天月さんがふっと笑って。
「ううん、あいつは…まあ、色々あっただけだから」
『……はい』
「あれ、すぐ納得しちゃうんだ?」
不思議そうに小首を傾げる天月さん。
…まあ、気になるって言えば気になりますけど。
『人に事情とか秘密なんて、いくらでもありますよ』
私は、そう言って笑った。
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来賓 - 天月さんだったら天「〜〜」みたいな感じにしてもらえると嬉しいです!お願いします(・ω・`人) (2017年9月28日 19時) (レス) id: 00ddd4f313 (このIDを非表示/違反報告)
カノン - 読み返し3回目です! (2017年8月8日 12時) (レス) id: 451c3d138b (このIDを非表示/違反報告)
CORITTK2(プロフ) - 読み返し10回目(*^^*)なう〜(*´ω`*) (2016年11月27日 0時) (レス) id: 6ac753d7da (このIDを非表示/違反報告)
遥 - 読み返し3週目なうです (2016年11月11日 22時) (レス) id: b5ff9d8745 (このIDを非表示/違反報告)
彩乃_ayano(プロフ) - 何度読み返しても最高です(*´-`) (2016年9月20日 7時) (レス) id: 1e4aaa14fc (このIDを非表示/違反報告)
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