誰だよ、お前ら。 ページ3
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まばゆい光に包まれ、俺は思わず目を閉じる。
やがてうっすらと目を開けると、俺が望んでいた世界が広がった。
大きな通りの両側には無数の店が立ち並び、そこを飛び交う人々が、正確には俺と同じ、
“この世界に魅入ってしまった者”
がゲームの仮想の食事に舌づつみを打ち、あるいは自分の知り合いのプレイヤーと話に花を咲かせている。
貴｢ハァ…｣
やはり人混みは疲れる。
昔からたくさんの人がいる所は好きになれないのだ。
よし、と心に決め、お決まりの修行場所へと向かおうとしたその時。
ｸﾞｩ…
貴｢腹減ったな…｣
仮想世界といえど、満腹感、空腹感というものは存在するようで。
一度起きてしまった空腹感、というものは再び何かを口にするまで収まることを知らない。
余談だが、排泄は必要ないぞ。うん。
俺はフードを被り、行きつけのパン屋に向けて足を進める。
グレーの石壁に囲まれたそれは、西洋のオシャレな風景を思い出させる。
行ったことはないけどな。
店の中に入ると、いつもと同じ、
NPCがいらっしゃいませ。と声を発する。
NPCとは、ノン・プレイヤー・キャラクター
の略で、簡単に言えばゲーム側が用意した機械、ということになる。
それに対して
PCとは、プレイヤー・キャラクター
つまり、俺のような、ナーヴギアを装着し、この世界に乗り込んできた人々のことだ。
いつものようにパイを一つ注文する。
NPC｢20コルです｣
この世界での通貨は、円ではなく、コルだ。
こんなパイが20コルなのだから、明らかに円よりは価値がある。
もしくはここの物価が極端に安いのか？
ぴったりの代金を払い、
パイを手にする。
俺の手の中でオブジェクト化されたパイは、
ほんのりと温かい。
だが、こうやって感じる温度感も、やはりナーヴギアが電波指令として脳に送った偽物なわけで。
つくづくこのナーヴギア、それを開発できた日本の技術に感動する。
貴｢いただきまーす！｣
広場から一本外れた通りの道端に座り、
パイを一口食べようとしたその瞬間…
パイは突如として俺の手から消えたのである。
♪.:*:'゜☆.:*:'゜♪.:*:'゜☆.:*:・'゜♪.:*:・'゜☆.:*:・'゜♪.:
まだ浦島坂田船出てきてない！
申し訳ございませぬ。
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kou(プロフ) - ありがとうございます！できる限り頑張っていきたいです！ (2017年11月18日 22時) (
レス) id: c261543552 (このIDを非表示/違反報告)
冬-Fuyu-(プロフ) - 面白いです！応援しています！！更新無理のない範囲で頑張ってください！！！ (2017年11月18日 21時) (レス) id: 170a42254d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kou | 作成日時：2017年11月17日 19時
