もう、つらい思いなんてさせない。【まふまふ】 (ページ6)

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そらるさんページ6

「でも吐いたんなら無理に食べないほうがいいんじゃない？」
「あ…そっか…だけど昨日あたりから全く食べてないみたいんですよ、A。」

人の話し声で目が覚める。
あ、まふくんが呼んだ人が来たのかな。

「え、そうなの。じゃあお粥でも作るか。」
「卵粥がいいです」
「食うのお前じゃないだろ」
「Aは卵粥がいちばんすきなんです！」

まふくんの楽しそうな声が聞こえる。
やっぱり、私のことなら何でも知ってるんだ。
そりゃ幼馴染だったもんね。
まふくんは、いつも私の隣にいてくれた。
いつだって私を慰めて、泣き止むまでずっと隣にいて、「大丈夫だよ、大丈夫」って
背中をさすってくれたのはまふくんだった。

なのに私はそんな大切な人を、突き放した。

『もう、私に会わないでね』って、ひどい言い方をしてしまったと思う。
でも、本当は、まふくんを守るためだった。
なんて言ったら格好良く聞こえるかもしれないけれど、ただの言い訳だ。

たぶん、まふくんは私のこと許してない。

当たり前だ。そこまでお人好しな人、この世にはいない。
分かってる。でも会いに来てくれたことをたまらなく嬉しく思ってる自分もいるの。
会いたかった。

「ん、よし、できた！」
「わ、ほんとにできてる…！そらるさんすごい！」
「もしかして俺のことばかにしてる…？」
「A呼んできますね！」

そう声が聞こえた直後、寝室のドアがそっと開く。
そこから顔をのぞかせたまふくんは、「あ、起きてる。お粥できたよ」と
私の頭をなでながら声をかけてくる。

「大丈夫？食べれるかなあ、お粥」
「うん、ちょっとおなかすいてきた…かも」
「ほんと？じゃ食べれそうだね、立てる？」

力の入らない私を心配してくれるまふくん。私が「大丈夫」というと、
「よかった」と笑顔を見せてくれる。

「まふまｈ…あ、えっと、Aさん？」
「え、…あ、そうです…けど……なんで、名前知って…」
「まふまふがさっきから連発してたから…」
「あ…じゃあ…そら、るさん…？」
「はい、俺です」
「あ、紹介するの忘れてた。こちら、僕の相方のそらるさんです！」
「はい、そうです、さっき言いました。」
「常に眠そうなのは徹夜でゲームしてるから！！！」
「違うよお前に頼まれたMIXやってんだよふざけんな」

そう言ってまふくんの頭を軽くたたく。
ああ、ほんとに仲良しなんだな。
２人のやり取りを見て、私は羨ましいな、と少し思ってしまった。