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まふまふside
「痛ったぁ…」
バンと音を立てて開けたドアの外に立っていたのは、鼻を押さえているそらるさんだった。
「そ、らるさ…」
「はい、そらるでーす。遊びに来ましたー」
脚の力が抜け落ちていく。
その場に膝から崩れて、〈あの人〉じゃなかった安堵から深いため息が出る。
「あぁあ〜〜、よかったぁ〜…びっくりさせないでよ、そらるさん…」
「?俺なんかした?」
首を傾げてはてなマークを浮かべるそらるさん。
後ろを振り返ると、Aも気が抜けたのかへなへなと座り込んでしまっていた。
「ほ、ほんとにびっくりしちゃった。怖かったぁ…」
そう言ってふにゃっと笑う彼女の頭に優しく手を置く。
Aはびっくりした後に、ちゃんと笑ってくれた。
そらるさんにお茶を出して、トランプをきって、配っていく。
「それにしてもそらるさんどうしたんですか?遊びに来るなら連絡くらいくれても…」
「…?俺LINEしといたけど」
「はぁ?そんなの僕見てな…あっ」
『予定よりはやく終わった 調子どう??〔壁〕三^ω^)
今から遊びに行くね(/ω・\)チラッ』
いや表情豊かすぎるでしょう。実際あんまりリアクションないくせに。
なんかのバグじゃないのかな、これ←
トランプを配り終わる。
Aはなぜだかひどく楽しそうに自分のトランプを見つめて笑ってる。
「じゃあ、始めよっか。さーいしょーはぐー、じゃんけん」
「「「ぽい!」」」
「よっし、そらるさん引いてくださーい」
「なんかお前ジョーカー持ってそう…」
「ふふ、どうでしょう?」
「あ、A持ってるでしょ」
「あっ」
「「あっ」」
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そらるside
結局このババ抜きはまふまふの惨敗に終わり、そらるさんは晩御飯まできっちり食べました。
夜の道を一人で歩きながら、ぼんやりと考える。
いいよな、まふまふは。
あんないい人と巡り会えて、結ばれて、幸せだろうな。
ときどきAさんを見ていて、ふと思うことがある。
もし、こんな人が俺の彼女だったらって。
相方の彼女。それでも、そう思ってしまう時があるんだ。
うん、自分でもよくわかんない。なんだろうこの気持ち。
自宅のマンションまで、あの角を曲がれば、もう目の前だ。
そう思って曲がり角を曲がった瞬間、ガツンと音がして、頭にものすごい痛みと衝撃が走った。
そして次の瞬間、目の前が真っ黒になった。
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夕焼涙雫(プロフ) - 栗原 真白さん» 面白かったですよいー(*ゝω・*) (2018年9月23日 6時) (レス) id: 76522a65f0 (このIDを非表示/違反報告)
栗原 真白 - 夕焼涙雫さん» ほ、ほんとですか…?!嬉しいです、ありがとです…!! (2018年9月22日 19時) (レス) id: 0170d3c859 (このIDを非表示/違反報告)
栗原 真白 - Canpasuーキャンーさん» ありがとうございます(*>ω<*) (2018年9月22日 19時) (レス) id: 0170d3c859 (このIDを非表示/違反報告)
夕焼涙雫(プロフ) - 完結じゃー!時間がある時(=休日)に読み返そう (2018年9月20日 6時) (レス) id: 76522a65f0 (このIDを非表示/違反報告)
Canpasuーキャンー(プロフ) - 完結(?)お疲れさま!そらるさんの次回作、楽しみにしてるよ! (2018年9月19日 20時) (レス) id: 1cab1691ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:青瀬真白 | 作成日時:2018年6月26日 6時