期待 ページ16
貴方side
「えっ!?こんなに!?」
「こんだけあればしばらく困んないだろ。料理とかできる?」
浦田くんが冷蔵庫の中をのぞいてそう聞いてくる。
昨日までほとんど何も入っていなかった冷蔵庫の中には、見覚えのない食材が
冷蔵庫いっぱいに入っていた。
「は、はい。ある程度はできますけど…」
「ならよかった。」
「あ、あの…ごめんなさい、本当ありがとうございます。ごめんなさい。
なんてお礼言ったらいいか…。あ、お金…」
急いで財布を取り出すと、浦田くんや志麻くんが笑って首を振った。
「あー、いいよいいよ。俺らがしたくてしたことだし。」
「そそ、Aちゃんなーんも気にすることないで?」
「そんな…こ、困ります……せめてお金ぐらい払わせて下さ……」
「…」
財布をにぎって立ち尽くす私を見て、センラさんが「じゃあ」と切り出した。
「Aさん、何か作ってください」
え…?
センラさんの案に、すぐ賛成したのは坂田くんだった。
次に、志麻くん、浦田くんがつづく。
「あ、それいいな!俺賛成!Aちゃんの手料理食べてみたい!!」
「そうやなー、もう結構な時間やし。夕飯ってことで、なんかつくってくれへん??」
「こら、お前ら。Aさん困ってんだろ。Aさんがしたいようにしてしていいよ。」
4人の言葉を聞いて、私は少し考えて言った。
「私なんかの料理で満足してもらえるかはわかりませんけど…
それで皆さんに少しでもお礼ができるなら…」
「え、まじで作ってくれるん!ほんと!?やったー!」
「なに作るんー?」
「んー…なんか皆さん食べたいものとかありますか?」
「Aちゃんがたべt「Aさんがテキトーに決めていいよ?」
何か言いかけた志麻くんの口をふさいで、浦田くんがニコニコと笑う。
テキトーに………じゃあ。
「なぁなぁ、なに作るん??」
「んー、秘密。できたら呼ぶから、それまでのお楽しみ…ね?」
「うー、気になる…!!じゃあ、待っとるわ!」
坂田くんはそういうとパタパタと走っていった。
なんとなくだけど、まふくんに似ている雰囲気がある気がする。
…ん?あれ、まふくんは?
ずっと喋っていたからわかんなかったけれど、まふくんの姿が見えない。
どこかな、と見回すと、部屋のすみっこのほうで体育座りして膝に顔をうずめていた。
「まふくん?」と声をかけると、上目遣いで私を見上げた後、またムスッとして俯く。
「…どうしたの?」
「…ヤキモチ」
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夕焼涙雫(プロフ) - 栗原 真白さん» 面白かったですよいー(*ゝω・*) (2018年9月23日 6時) (レス) id: 76522a65f0 (このIDを非表示/違反報告)
栗原 真白 - 夕焼涙雫さん» ほ、ほんとですか…?!嬉しいです、ありがとです…!! (2018年9月22日 19時) (レス) id: 0170d3c859 (このIDを非表示/違反報告)
栗原 真白 - Canpasuーキャンーさん» ありがとうございます(*>ω<*) (2018年9月22日 19時) (レス) id: 0170d3c859 (このIDを非表示/違反報告)
夕焼涙雫(プロフ) - 完結じゃー!時間がある時(=休日)に読み返そう (2018年9月20日 6時) (レス) id: 76522a65f0 (このIDを非表示/違反報告)
Canpasuーキャンー(プロフ) - 完結(?)お疲れさま!そらるさんの次回作、楽しみにしてるよ! (2018年9月19日 20時) (レス) id: 1cab1691ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:青瀬真白 | 作成日時:2018年6月26日 6時