お誘い ページ33
※会話文多め
『ふふ、志麻さん。面白い写真ありがとうございました』
「仲良しな俺らの写真、気に入ってくれた？」
『はい、とても』
「それなら良かったわ。…あ、そうそう、Aちゃん、俺らのライブスタッフに応募してくれたんやろ？センラから聞いたわ」
『はい。グッズ販売のスタッフをやらせて頂いてます』
「今度シフト入る時教えてや。見に行くから」
『ふふ、千羅さんと同じ事おっしゃるんですね』
「考えることは皆一緒やな」
『恥ずかしいので、あんまりじっくりは見ないで下さいね』
「それはセンラに言ってくれ」
『もちろんお願いはするつもりです』
「でもAちゃんからのお願いやからなぁ…」
『ど、どういう意味ですか？』
「んふふ」
『秘密っていう事ですか？』
「んふふふふ」
『志麻さん…？酔ってます…？』
「いや、ちゃんと正気やで」
『そう、ですか…』
途中から心ここに在らず、といった返答が続き、思わず問いかけるも即座に否定された。何だろう、先ほどの笑いは明らかに含み笑いだったので、何かがあるような気がするのだが。
「あ、うらたんの説教終わった。センラに戻すで」
『は、はい！志麻さん、ありがとうございました！おやすみなさい！』
「…おん、おやすみ」
突然電話の相手が変わることになり、最後は慌てて叫ぶように挨拶してしまった。失礼だったかもしれないと内心反省する。
「…Aちゃん」
『千羅さん、先ほどぶりです』
「…Aちゃんは、」
『はい？』
電話を代わったあとの千羅さんが何故か不機嫌そうだった。何かを言いかけた千羅さんは数秒黙り込んだあと、「何でもない」と話を打ち切った。気まずい沈黙が下りてきて、慌てて私は話題を変えることにした。
『そういえば、千羅さん。この前聞かれた週末の予定なのですが、土日どちらも空いてます』
「…そっか」
『姉も陸さん…あ、彼氏さんとデートの予定らしく、好きに過ごしておいでと言われました』
「ゴホッ…ゴホッ…そっか」
突然噎せた千羅さんに内心心配しつつ、私は手帳を眺める。まだ小さな丸しかつけられていない日付欄。緊張もするけれど、勇気を出して、千羅さんにお誘いの言葉を紡ぐために口を開く。
『折角なので、その…どこかにお出かけしたいなぁ…なんて思っているんですが…千羅さんはどうですか？』
「行こう、お出かけしよう」
『…えへへ』
後半尻すぼみになった言葉に被せる勢いで、肯定してくれる千羅さん。安堵から、私はまともは言葉が出なくなってしまうのだった。
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妃花里(プロフ) - 夢主ちゃんと誕生日一緒！ (9月3日 23時) (
レス) @page12 id: 5ce3102dbd (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - さざんかさん» さざんかさん、コメントありがとうございます！数ある作品の中から2度も見つけ出して頂いて本当にありがとうございます。続きも現在準備しておりますので、今しばらくお待ちください。 (2023年1月24日 13時) (レス) id: a61a4998db (このIDを非表示/違反報告)
さざんか(プロフ) - いつの日か、この作品に初めてであってとてもキュンキュンしたのを覚えてます。ふと思い出して読みたくなって、やっと見つけました。改めて全部読んでまたドキドキして、やっぱりこの作品、大好きです。良ければ続き、待ってます。 (2023年1月23日 1時) (レス) id: 20c7caba78 (このIDを非表示/違反報告)
サチ(プロフ) - ずっとずっと待ってます。 (2022年10月3日 14時) (レス) @page49 id: 3812196784 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - リナさん» リナさん、コメントありがとうございます！お返事が遅くなり申し訳ございません…！ 亀更新ではございますが、応援を励みに頑張って参ります！ これからもよろしくお願いします (2021年9月27日 0時) (レス) id: 25868fbf10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫苑
| 作成日時：2019年12月21日 3時
