仲良し ページ32
仕事も無事に終わり、自宅に帰って寛いでいると、前触れなしに携帯が鳴った。
(千羅さん？！)
画面を見ると、表示されたのは千羅さんの名前。慌てて電話を取ると、今までで一番陽気な声が聞こえた。
「もしもしー！Aちゃんー！元気してます？」
『こんばんは。はい、元気ですよ』
後ろから聞こえるざわめきが誰かと一緒にいるのだと知れて、下手な事は言えないと身が引き締まる。
『どなたかと一緒にいるんですか？』
「おん、今打ち上げやってんねん！」
『ふふ、楽しそうですね』
「メンバーと4人でホテルで飲んでるんよ！二次会？三次会？とりあえず皆べろんべろん」
しかしすぐに千羅さんのメンバーだけという言葉にこっそり息を吐くこととなった。それと同時に、本当に楽しそうに話す千羅さんは、メンバーの方々が好きなのだと実感した。
『千羅さんも酔っていらっしゃるんですか？』
「んんー、そやね。ライブ後はやっぱり酔いが回りやすいみたいやわ」
普段より上ずった声は、確かに酔っているのかもしれない。ふわふわとした喋り方が可愛くて、先ほどから顔が緩みっぱなしな気がする。
『ライブ、楽しかったですか？』
「ちょー楽しかった！！！やっぱりライブ好きやなぁと思いましたよ」
『ふふ、実は開演直後くらいまで働いていたので、微かに歓声は聞こえてました。楽しそうで良かったです』
今度は会場の中でライブをしている千羅さんに会える、そう思うとワクワクが止まらない。
「今度はAちゃんも中で見てくれると思うと、楽しみやけど緊張してしまいますわ」
『私も緊張しますけど、楽しみです』
「んふふ、逆やね。立場も気持ちも」
クスクスと電話越しに笑い合う。こうしたふとした瞬間に小さな「好き」が積み重なって、どんどん気持ちが大きくなっていく。
「ラまんー！いつまでイチャついてるつもりや！！！」
「うっさいわ！男の嫉妬は醜いで！」
「なんやとぉ？！」
『…坂田さんですか？』
「そう。…って待ちぃ！スマホは駄目や！」
電話越しに聞こえた押し問答の末、聞こえた声に私は少し安堵を覚えた。
「どもー、志麻ですぅ」
『こんばんは、志麻さん。千羅さんと坂田さんはどうしたんですか？』
「リーダーに叱られてる」
『本当に仲良しですね』
「ここでその返しできるのは流石Aちゃんやわ。…あ、ええ事思いついた」
そして数分後。千羅さんと坂田さんが正座して、その正面に仁王立ちする浦田さんの写真が送られてきて、とうとう私は吹き出してしまうのだった。
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妃花里(プロフ) - 夢主ちゃんと誕生日一緒！ (9月3日 23時) (
レス) @page12 id: 5ce3102dbd (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - さざんかさん» さざんかさん、コメントありがとうございます！数ある作品の中から2度も見つけ出して頂いて本当にありがとうございます。続きも現在準備しておりますので、今しばらくお待ちください。 (2023年1月24日 13時) (レス) id: a61a4998db (このIDを非表示/違反報告)
さざんか(プロフ) - いつの日か、この作品に初めてであってとてもキュンキュンしたのを覚えてます。ふと思い出して読みたくなって、やっと見つけました。改めて全部読んでまたドキドキして、やっぱりこの作品、大好きです。良ければ続き、待ってます。 (2023年1月23日 1時) (レス) id: 20c7caba78 (このIDを非表示/違反報告)
サチ(プロフ) - ずっとずっと待ってます。 (2022年10月3日 14時) (レス) @page49 id: 3812196784 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - リナさん» リナさん、コメントありがとうございます！お返事が遅くなり申し訳ございません…！ 亀更新ではございますが、応援を励みに頑張って参ります！ これからもよろしくお願いします (2021年9月27日 0時) (レス) id: 25868fbf10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫苑
| 作成日時：2019年12月21日 3時
