stage.7 ページ12
(side.Urata)
今日も今日とて、カジノに姿を現せば注目の的。
『相変わらず慣れないな…』
「そう?俺はもう慣れたよ」
『坂田は気楽でいいよなぁ…』
元々ボーイだった俺たちの事を毛嫌いする奴らは一定数いる。大方「ボーイ時代にイカサマしてたんだろう」とか「四天王になれたのはカジノのスタッフとグルでいたからだ」などと噂されているんだろう。…決して正しい噂ではないのだが。
その一方で俺たちの実力を認めてくれている人も多い。特に一度以上対戦した相手は、俺たちを「本物」だと言ってくれる。
「それより今日は何のゲームにする?」
『…ポーカー』
「おっけー!じゃあやろう!」
坂田に誘われ、俺たちは空いていた席に着く。着いた席のディーラーは顔馴染みの彼女。
『あ、ラヴィさん』
「ふふ、うらた君と坂田君、こんにちは」
「ラヴィさん!ポーカーやりたい!」
「畏まりました、セブンカードスタッドポーカーでよろしいですか?」
「うん」『ああ』
俺たちを数年前に拾ってくれた採用担当のラヴィさんは、俺たちが会いたくて仕方が無い"オーナー"と同じ位の恩人だ。
彼女は新人教育も担当していたので、ボーイになりたての頃は非常にお世話になったし、「四天王」と呼ばれるようになり、周囲から距離を置かれるようになった頃にも彼女だけは変わらず接してくれた。
「相変わらずラヴィさんは鮮やかな手つきだよね………」
「それは勿論、お二人に比べて年季が違いますから」
『ラヴィさんはいつからここにいるんだっけ?』
「8年程前ですね」
「へー!じゃあ今のオーナーさんになった頃からなんだ!」
「はい」
にこにこと微笑みながら、俺たちにカードを配ってくれるラヴィさん。2枚は伏せて、1枚はオープンにして。配り終えると、彼女は鈴のような声で宣言する。
「さあ、ゲームの始まりです」
その声をきっかけに、俺と坂田は幼なじみではなくなり、対戦相手(ライバル)になるのだ―――。
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紫苑(プロフ) - リリさん» ちゃんと変換できたみたいで良かったです! ご不便をおかけして、失礼しましたm(__)m 頑張ります!ありがとうございます! (2019年10月14日 0時) (レス) id: 25868fbf10 (このIDを非表示/違反報告)
リリ(プロフ) - ちゃんと、名前が出来ていました!名前で呼ばれるのが嬉しいです( ̄∇ ̄*)ゞ次も頑張ってください! (2019年10月13日 18時) (レス) id: 3c3ec4405a (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - リリさん» リリさん、ご指摘ありがとうございます…!こちらの設定ミスです…修正いたしましたので、名前が変換されるはずです! 応援ありがとうございます!頑張ります!!! (2019年10月11日 21時) (レス) id: 25868fbf10 (このIDを非表示/違反報告)
リリ(プロフ) - 最高です!登場人物の、名前を変える設定で名前を入れても、変えれないのですが……どういうことでしょうか……これからも、頑張ってください! (2019年10月11日 15時) (レス) id: 3c3ec4405a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紫苑 | 作成日時:2019年10月7日 13時