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stage.23-2 ページ34

『それで何のご用でしょうか』

手早くお茶を淹れた私は、ソファーに腰掛けながらそう尋ねた。

「オーナーに1年前のハンカチのお礼を言いに来たんだ」
『それはわざわざありがとうございます。ですが、大会中にも関わらずオーナーを訪ねるという事はまた無駄な憶測を増やすとは考えませんでしたか?』
「それはっ…」

厳しい言い方をしている自覚はある。だが、彼らが大切だったからこそ、1年前、彼らにハンカチを送る事で周囲に牽制をしたのだ。

それにも関わらず、彼らは大会中にアポイントも無しに私を訪ねて来た。これは誰かに見られていたら、変な噂を立てられる事は確実だ。

『…仕方がありません、もし誰かに言われたら、"オーナーから呼び出しがあった"という体で話をして下さい』
「…ごめんなさい」
『素直に自分の非を認められる方は好きですよ』

「好き」と言った瞬間、4人の視線が突き刺さった。な、何だ急に…別に変な意味は無いんだけど…。あと凄く嬉しそうな顔をしている坂田君に犬の尻尾と耳が見える気がするんだけど、気のせいかな?

「悪かった」
「わりぃ」
「すみません」
『…ご丁寧にどうも』

坂田君に続き、残りの3人からも謝罪の言葉を告げられ、若干の肩透かしを食らう。

『用事はそれだけですか?それならば、そろそろ会場に…』
「待って!オーナーさんに聞きたい事があるねん!」
『何ですか?』
「もし俺が優勝したら、オーナーさんの名前さんが知りたい。それってお願いとして有効?」

坂田君の質問に自分の体温と室内の温度が下がるのを感じる。警戒心を最大限引き上げて、慎重に尋ねる。

『…どういう意図で、私の名前を知りたいと?』
「ただ名前を呼びたいだけ!あ、でも僕のものになってほしいって気持ちもあるよ」

無邪気な顔でさらりと恐ろしい事を言い放った坂田君に、私を含めた全員が凍った。

「坂田っ!…お前なぁ…!」
「…オーナー、こいつ殺っていい?いいよね?」
『ま、待って!…ええと、坂田君。お願いは有効です。ただ大勢の前で私の名前は言えないので、大会後に少々時間を貰えば、という形になると思います』
「分かった!俺、頑張るな!」
『…ええ、まあ頑張ってください』

いや正直頑張らないでほしい、今さら身バレとか恥ずかしすぎて嫌だ。
しかし、そんな内心は悟られないように私は必死に張り付けた笑顔で微笑むのだった。

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紫苑(プロフ) - リリさん» ちゃんと変換できたみたいで良かったです! ご不便をおかけして、失礼しましたm(__)m 頑張ります!ありがとうございます! (2019年10月14日 0時) (レス) id: 25868fbf10 (このIDを非表示/違反報告)
リリ(プロフ) - ちゃんと、名前が出来ていました!名前で呼ばれるのが嬉しいです( ̄∇ ̄*)ゞ次も頑張ってください! (2019年10月13日 18時) (レス) id: 3c3ec4405a (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - リリさん» リリさん、ご指摘ありがとうございます…!こちらの設定ミスです…修正いたしましたので、名前が変換されるはずです! 応援ありがとうございます!頑張ります!!! (2019年10月11日 21時) (レス) id: 25868fbf10 (このIDを非表示/違反報告)
リリ(プロフ) - 最高です!登場人物の、名前を変える設定で名前を入れても、変えれないのですが……どういうことでしょうか……これからも、頑張ってください! (2019年10月11日 15時) (レス) id: 3c3ec4405a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紫苑 | 作成日時:2019年10月7日 13時

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