【悪女主】裏表二人【Sou】

番外編８ ページ43

❃夢主side❃

「と、とりあえず、中に入って席座ろう？」


『うん…』


一気に気まずくなったこの空気。


これからどうするんだろうね？


入り口から結構離れた席に座った。


「えっと…とりあえず、次のコラボの話しよっか…」


『うん』


コラボの話は気まずいながらも黙々と進んでいき、
次のコラボは「拝啓ドッペルゲンガー」になった。


MixもSouくんがやってくれるそう。


「それで、これからなんだけど」


急にSouくんが話を切り出した。


『あ、うん』


「僕の知る限りじゃ学校ではお互いのこと、
　あんまりよく思ってないみたいだけど」


え。


『なんで知ってんの』


「女子の誰かが言ってた」


『あ、そう』


女子に囲まれてると、そういう情報も入ってくるんだね。


「歌い手やってるときは、仲いいふりしておいた方がいいんじゃない？」


『え？』


「いやだって、急に仲が悪くなったとか、炎上の種じゃん」


あぁ、そういうことか。


『まあ、それならいいけど…』


そうしてその日は終わった。


――――――
――――
―


これが、私と爽の出会いの話。


「そういえば、僕たちの出会いこんな感じだったよね」


『うん。Souくんが朝見爽だったって気づいたときは本当にびっくりした』


「僕も」


出会ったときから関係が今はかなり変わったと思う。


仲いいふりをしているうちに、裏の性格がお互いバレたから。


それから一気に意気投合して、普通に仲良くなった。


「まあ、今は“友達として”Aのこと好きだよ」


『えっ、どうしたの急に？』


急すぎて、笑いが込み上げてくる。


「別に？」


『まあ、私も“友達として”爽のこと好きだよ』

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