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第四十幕 side天月 ページ49

………ほんの気まぐれだった。

たまには散歩でもしようかな、と思ったら公園に少女が居て。
特に気にも止めずに通り過ぎた。

それから大体40分くらい経って、俺が散歩を終えて再び公園を通ったとき。

その少女はまだそこに居た。

………何してるんだろう、この子。

不思議に思って声をかけたのは、彼女から僕と同じ匂いを感じたからだろう。

よく歌詞さんに言われてた、僕の空虚な瞳と。

彼女の空っぽな瞳が、そっくりだった。

天「…ね、人待ち?」

僕が声をかけると、少女はピクリと動いた。
そして僕の方を向いて………、

「…………!」

微かに驚いたような顔をした。

そして恐る恐る、と言った感じで口を開く。

「……あの、もしかして。 」

天「……何?」

「歌い手の、天月さん、ですか。」

そこで僕もピンときた。

この声、聴いたことある。

……何だっけな。



…………そうだ。



天「君はぽるさん、でしょ。」

確か、この前聴いた。
ダブルラリアット。


「あの、天月さん。」

天「ん?」

「もし良ければ、」

……何だろう。
サイン?握手?意外とミーハーだな。

しかし彼女は、僕の予想の斜め上をいっていた。

「……歌詞太郎さんに、電話してもらえませんか……?」

…………。

その瞬間、どうして彼女がこんな長い時間こんな場所で立っていたか。そして誰と待ち合わせしているのか全て合点がいった。

…………歌詞さん。
あんた、方向音痴にも程があるよ。

つまりこの哀れな少女は、あの伊東歌詞太郎を待っているということだ。


僕は非常にいたたまれなくなり、ポケットから携帯を出す。

数秒のコール音のあと、相手が出た。

天「………あ、もしもし。」

これが僕とぽること日野Aとの出会いだったんだけど、この時の僕は大馬鹿だったので。



これから起きることを僕はまだ知らない。

お知らせです!→←第三十九幕 side 伊東歌詞太郎



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設定タグ:歌い手 , ボカロP , 夢小説   
作品ジャンル:恋愛
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旅の少女P - 補佐太郎さん» あ、多分そうゆうのって、ニコ動から入ったやつだと思いますよ〜。確認してみてください。 (2015年3月30日 13時) (レス) id: 80601c119b (このIDを非表示/違反報告)
補佐太郎 - 歌い手はニコニコだけじゃあねぇっすよー。ていうかニコニコよりユーチューブの方が多いからね。リクエスト良いかな? (2014年10月30日 22時) (レス) id: 35d43e0537 (このIDを非表示/違反報告)
あにゅ(プロフ) - 雨月さん» リクありがとうございます!続編の方の番外編で良ければ出してみようと思います! (2014年8月6日 19時) (レス) id: c66587fcb6 (このIDを非表示/違反報告)
雨月 - クプラと詩人さん出して下さい! (2014年8月6日 17時) (携帯から) (レス) id: ba54edea9d (このIDを非表示/違反報告)
あにゅ(プロフ) - はつねさん» うわぁぁぁぁ殿堂入りの瞬間見逃したぁぁぁぁ!!こういうのを教えてくれるのはいつもはつねちゃんっすね!いやー嬉しい。これからも頑張っていきます……! (2014年8月3日 12時) (レス) id: afa32fec6e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あにゅ | 作者ホームページ:http  
作成日時:2014年7月15日 16時

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